勢いづく7nmプロセスへの移行、多くのベンダーが殺到する理由はどこにあるのか:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
2018年11月を振り返ってみると、「長らく10nm台で足踏みをしていた半導体業界が、ついに7nm世代に足を踏み出した月」といえる。今、多くのベンダーが7nmプロセス技術へ移行する理由はどこにあるのか。
7nm世代に足を踏み出した半導体業界
2018年11月は、“長らく10nm台で足踏みをしていた半導体業界が、ついに7nm世代に足を踏み出した月”といってよいかもしれない。
正確にいえば、Appleが同年9月に発表した「A12 Bionic」が最初の7nm製品ではあるが、AppleはTSMCにとって特別な大口顧客でもあり、ちょっと別枠で考える必要があるだろう。ただ、それを別にしても、多くのベンダーが7nmに殺到している。2018年8月以降でいうと、公開されているだけで、
8月31日:Huawaiが7nm利用のMobile SoCとして「Kirin 980」を発表。これを搭載したスマートフォンを10月に出荷する予定としていた。
9月21日:Bitmainが7nm利用のマイニングチップとして「BM1391」を発表。数週間以内に出荷開始としていた。
10月2日:Xilinxが7nm利用のFPGAとして「Versalシリーズ」を発表。出荷は2019年に入ってからの予定。
11月1日:Broadcomが7nm利用の400G PAM-4 PHYのサンプル出荷を開始。
11月6日:AMDが7nm利用の「RADEON Vega Instinct MI50/60」を発表。年内に製品出荷開始を予定。また同社は7nm利用のEPYC“Rome”を発表。こちらは2019年に出荷開始予定。
12月5日:Qualcommが7nm利用の「Snapdragon 855」を発表。これを搭載したスマートフォンが2019年初頭に出荷予定とのこと。
といったあたりで、これらはいずれもTSMCのN7(7nm DUV+液浸のトリプルパターニング)プロセスを利用する。
その他、公式な発表はまだだが、事実上確定しているものとしては、
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