IoT導入の目的と取り組みの方向性を考える:製造現場のIoT活用を成功に導く5つのポイント(1)(1/3 ページ)
IoTコンサルタントとして、主に製造業でのIoT導入を支援してきた筆者の経験を踏まえ、工場(製造現場)におけるIoT導入を進める上で「まず考えておくべきこと」や「気を付けておきたいポイント」などを詳しく解説する。連載第1回は「IoT導入の目的と取り組みの方向性」について取り上げる。
ビジネスの現場において「IoT」という言葉はかなり定着し、さまざまな分野で活用されるようになってきました。新しいビジネスモデルもどんどん出てきており、IoT技術はこれから当たり前のように使われていくのだと感じています。
特に、製造業やサービス業でIoTの活用が進んでいるといわれていますが、実際のところ、中小規模の工場などでは“これから”取り組みを始めるという企業も多いのではないでしょうか?
本連載では、筆者のこれまでの開発/コンサルティングの経験を踏まえ、そのような工場(製造現場)でIoT技術を活用するに当たり、まず考えておくべきことや気を付けておきたいポイントなどを紹介します。
記念すべき連載第1回は、「IoT導入の目的と取り組みの方向性」について考えてみたいと思います。
(おさらい)IoTとは?
筆者はIoT関連のセミナーに登壇する際、毎回参加者の皆さんを対象にアンケートを取っているのですが、その中身を見てみると、やはり「IoTについて自信を持って説明できる!」という方はまだ少ないようです。
IoT(Internet of Things)は、「モノのインターネット」とよく直訳されています。その定義や捉え方については幾つかあるようですが、筆者は、
さまざまなモノをネットワークに接続し、そこから得られた情報(データ)を活用するための技術や概念
と定義しています。
よく「(ターゲットとなるモノが)『インターネット』に接続されていないからIoTではない……」という話も聞きますが、そのモノが閉域網のようなネットワークに接続されていて、何かしらデータを活用しているのであれば、それは「IoTだ」と捉えて問題ないと筆者は考えます。
IoTによるデータ活用の流れ
IoT技術を活用するシステムでは、以下の4つのステップを経て、大きな価値を生み出していきます。
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