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RTOS/Linuxの共存を実現する「OpenAMP」と「MDCOM」の違いとは?:RTOS/Linux共存の最前線(2)(1/3 ページ)
組み込みシステムへの要求が高度化、複雑化する中、「RTOSとLinuxの共存」に対するニーズが高まっている。今回は、RTOSとLinuxの両OSを共存させて、双方のメリットを引き出す技術「OpenAMP」と「MDCOM」について取り上げる。
複雑化する組み込みニーズ
情報処理推進機構(IPA)は2017年5月に「組込みソフトウェア産業の動向把握等に関する調査結果」を公開しました。これは、組み込み関連企業の経営層または事業部門責任者へのアンケートから、組み込みソフトウェアの動向を読み解こうとするものです。
この調査によると、現時点での重要技術として「画像・音声関連技術」や「ネットワーク技術」が挙げられており、喫緊の課題として「セーフティおよびセキュリティ技術」のニーズが高いとされています。また、「ビッグデータ」や「AI技術」は短期、長期的に重要な課題と位置付けられています。
このように組み込みシステムへの要求が高度化、複雑化する中、よりレベルの高い組み込みソフトウェア処理の開発が行え、生産性を担保できる“Linuxに対するニーズ”がこれまで以上に増しています。
一方、前回「RTOSとLinuxを同時に使う理由とそれぞれの課題」の内容で触れた通り、
これまで開発し、積み上げられてきた「RTOS(Real Time Operating System)」の資産を継続して利用したい。
高い応答性を確実に確保したい。
といったニーズから、“RTOSの利用を継続したい”と考える方も多くいらっしゃいます。
そこで今回は、RTOSとLinuxの両OSを共存させて、双方のメリットを引き出す技術について解説したいと思います。
OSを共存させる方式
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