連載
「脅威」や「リスク」を想定することが、IIoTセキュリティの第一歩:IoTセキュリティの現実的な仕組みと課題(2)(3/3 ページ)
工場や重要インフラで利用されつつある「インダストリアルIoT(IIoT)」の世界に着目し、IoTセキュリティの現実的な仕組みと課題について解説する本連載。第2回では、そもそもIIoTとは何か? その基礎や「インダストリー4.0」に代表される第4次産業革命の実現を目指す各社の動きを紹介すると同時に、自転車工場とマイクロ水力発電所を例に産業用システムのセキュリティを考える際のポイントを解説する。
「IIoT」のセキュリティ、何が必要か?
さて、IIoTあるいはインダストリー4.0などをベースにした産業用システムにとって、どのようなセキュリティが必要だろうか。それには、どのような脅威やリスクが存在し、それらに対処しなかった場合の被害を想定することから始める必要がある。
まず、“Industry”の部分に注目して自動化がほとんど行われていない自転車工場と、自動化されたマイクロ水力発電所とでそれぞれ分析してみることにしよう。というのは、インターネットなどの外部ネットワークとの接続がある場合には、切り分けて脅威分析をすればよいからである。
ケース1:自転車工場における脅威分析
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