「IoTはシンプルでなくては」Armが考えるIoTの課題:Arm Mbed Platform
Armが近年、コアIPの提供だけではなくIoTへの取り組みを強化している。IoTサービスグループの統括者が来日し、IoTにおける現状の課題と同社が提案する解決案について語った。
エレクトロニクス業界においても「IoT」は大きな意味を持つといわれているが、IoTの目指すところはサービス(体験)の提供であって、「どのように実装するか」はそのサービス(体験)に依存するところが大きい。しかしながら、デバイス開発の側からすれば不確定要素が多すぎては要件定義すらままならない。
組み込みシステムにおいて大きなシェアを持つArmは近年、コアIPの提供だけではなくIoTに関する取り組みに注力している。同社でIoTサービスグループを統括するDipesh Patel(ディペッシュ・パテル)氏が来日し、IoTにおける現状の課題と同社が提案する解決案について語った。
IoTには3つの課題がある
パテル氏は資料をひもときながら「2025年までに、IoTは11兆ドルの価値を生む」「2035年には1兆個のIoTデバイスが世に送り出されている」と未来の姿を語るが、そうした未来に向けて未解決の課題があるとする。「デバイスの多様性」「セキュリティ」「データ運用性」の3つだ。
IoTデバイスはスマートフォンからPC、産業機器、ヘスルケア製品、照明機器などさまざまな形態がその名で呼ばれることになり、そこから得られるデータは活用されるまで安全に運用されなくてはならない。加えて、IoTの概念からすればインターネットを利用している既存システムとの連動性(インターオペラビリティ)も重要になると指摘する。それに用途や機器によってはオンプレミスでの運用が求められる可能性もある。
鮮やかに語られる「IoTの未来」を実現するための課題は山積しているといえるが、パテル氏は「幸運なこともある」と話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Arm「Mbed」にオンプレ実装やNB-IoT対応などの新機能
ArmがIoTデバイス管理サービス「Mbed Cloud」とIoTデバイス向けOS「Mbed OS」に新機能を追加した。 - 「業界最速レベル」の高速モニタリング、ARMマイコンRAM計測ツール
DTSインサイトがARMマイコンRAM計測ツール「EVRICA」を販売開始した。測定点当たり10マイクロ秒以下という「業界最速レベル」の高速モニタリングが可能で、データはPCから確認できる。 - IoTやM2Mで注目される無線通信技術「LPWA」とは
「LPWA(Low Power Wide Area)」をご存じだろうか。IoTやM2Mに向けた無線通信技術として注目を集めているLPWAの概略や、LPWAに分類される各種技術(規格)について解説。中でも有力視されている「SIGFOX」「LoRaWAN」「NB-IoT」の違いをまとめて紹介する。 - 「鶏と卵」を抜け出しそうな、Armサーバの現在地
Armといえばスマートフォンから車載、産業機器まで広く使われる組み込み機器向けという印象が強いものの、最近ではサーバ市場での利用を見込む動きも強くなっている。Intelが強みを持つ市場であるが支持の輪は広がっている、その「現在地」とは。 - 「10分でARMの世界へ」――ARMアーキテクチャでの製品開発を支援する開発キット
アドバンテックは、ハードウェア設定からアプリケーション検証開始までわずか10分で実施できる、組み込み開発者向け「ARMスターターキット」を発表した。