ヤマハ発動機、3D高速はんだ印刷検査装置「YSi-SP」を発表:1種類のヘッドで多様な検査に対応
ヤマハ発動機は、高精度・高速検査が可能な3D高速はんだ印刷検査装置(SPI)「YSi-SP」を発表した。1種類のヘッドで多様な検査に対応できる「1ヘッドソリューション」をコンセプトとしている。
ヤマハ発動機は2018年1月11日、高精度・高速検査が可能な3D高速はんだ印刷検査装置(SPI)「YSi-SP」を発表した。1種類のヘッドで多様な検査に対応できる「1ヘッドソリューション」をコンセプトとしている。同年4月1日に販売を開始し、発売から1年間で100台の販売を見込む。
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プリント基板に印刷されたクリームはんだの体積、高さ、面積、位置ずれなどの印刷状態を検査するもので、3Dと2Dを組み合わせた3段階アルゴリズムで高精度に3D検査ができる。独自の解像技術により、部品に合わせて視野ごとの分解能を「標準モード」と「高分解能モード」に切り替え可能で、高速・高精度なはんだ印刷検査を1つのヘッドで対応する。
ラインの基板データやコンベヤー幅などの設定を上流機から順次自動で切り替える「自動段取り切り替え」や、プリント基板上のバッドマークをYSi-SPが認識すると後続のマウンターにその情報を伝える「バッドマーク情報フィードフォワード」、印刷時のはんだのずれを印刷機にフィードバックして位置合わせ精度を高める「印刷位置フィードバック」を搭載している。
さらに、多彩な統計処理が可能なSPC(統計プロセス制御)機能を装備。全てのパッド画像や測定データを保存し、さまざまな切り口で統計や分析を行う。1台のPCに最大6台のSPIの接続が可能だ。
他に、0201(0.25×0.125mm)〜03015(0.3×0.15mm)などの超小型部品の印刷を検査する「超高分解仕様」、ディスペンサーによる接着剤塗布状態を検査する「ボンド検査」、基板上に付着した異物の検出が可能な「異物検査」など、さまざまな生産ラインに対応可能なオプションを用意した。
同製品の発売により同社は、印刷機、ディスペンサー、SPI、表面実装機、基板検査装置といった主力設備をヤマハブランドで一括して提供可能になった。各設備の相互連携により、生産の効率化・品質向上を図ったラインを構築できるとしている。
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