Qualcommとの統合控えるNXP、2017年度は自動車向け伸びる:NXP Semiconductors
NXP Semiconductorsは2018年2月7日、2017年度第4四半期(10〜12月)および、2017年度通期(1〜12月)業績を発表した。
NXP Semiconductors(以下、NXP)は2018年2月7日、2017年度第4四半期(10〜12月)および、2017年度通期(1〜12月)業績を発表。2017年度通期売上高は事業売却の影響により前年比3%減の92億5600万米ドルとなった。
2017年度第4四半期業績は売上高24億5600万ドルで、スタンダード・プロダクト事業部門売却の影響がある中で、前年同期比1%増の増収を達成。前四半期比でも3%伸長した。(NXPは2017年2月、当時全社売上高の1割程度を占めたスタンダード・プロダクト事業部門を中国の投資会社に約27億5000万米ドルで売却している)。特に自動車向け事業売上高は、マイコン、アナログIC、インフォテイメント向けデバイスなど全てが前年比での成長に寄与し、前年同期比12%増の9億7000万米ドルと伸びた。
セキュアコネクテッドデバイス事業は前年同期比31%増の売上高7億4500万米ドル、セキュアインタフェースおよびインフラ向け事業は前年同期比3%増の4億9700万米ドルとそれぞれ増収となった。ただ、セキュアIDソリューション事業については、世界的な銀行カードや政府ID市場の継続的な低迷に影響を受け、前年同期比7%減の1億3600万米ドルとなった。
2017年度通期売上高は、全体では前年比3%減の減収となったものの、自動車向け事業、セキュアコネクテッドデバイス事業は前年比2桁の増収、セキュアインタフェースおよびインフラ向け事業も増収を達成し、スタンダード・プロダクト事業部門売却影響を相殺した格好だ。
なお、NXP Semiconductorsは、Qualcommに買収されることで合意し、統合に向けて各国政府の認可の取得を進めている。2018年1月18日に欧州連合(EU)の欧州委員会の認可を取得し、残すは中国商務部からの認可取得のみとなっている。
NXP最高経営責任者のRichard Clemmer氏は、2月7日の業績発表に合わせてコメントを発表し「2018年初期の(Qualcommとの)取引完了に向けて、私たちは真摯(しんし)な努力を行っている。(中国商務部からの)認可が下り次第、両社は株式公開買い付けプロセスの実行が可能になる」とした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 相次ぐエレクトロニクス企業のトップ交代、FPGA業界にも再編の波
2018年1月はCPUの脆弱(ぜいじゃく)性や仮想通貨近隣こそ騒がしかったが、エレ/組み込み企業に驚きを伴う動きはなかった。しかし、FPGA業界は再編の波が迫っているように見える。 - 半導体業界M&A、2017年の買収金額は大幅減
IC Insightsによると、2017年における半導体業界のM&Aは過去2年に比べて大幅に減少したという。買収額が10億米ドルを超えたものは、東芝メモリとCaviumの2件だけだった。 - チップ再設計に踏み切ったIntel、「Spectre」「Meltdown」の余波は収まらず
2018年1月に報告されたプロセッサの脆弱性「Spectre」「Meltdown」に対応すべく、Intelはチップの再設計に踏み切った。他社は追従するか。 - 問われるaiboの次、ソニーは「エモい会社」に返り咲けるか
犬型ロボット「アイボ」が12年ぶりの復活を遂げた。2000年代半ばの業績低迷と先代の生産中止、そして昨今の業績回復と新アイボ登場と、ソニーとアイボには因縁めいた関係があるように見えてしまう。新アイボはソニーの「次」にどんな影響を及ぼすか。