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上流工程の品質活動でソフトウェアの品質は向上するのか:IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質(6)(2/6 ページ)
品質を守る最後の砦が「テスト」であれば、品質向上の最強の武器は「上流工程での品質活動」である。しかし、この武器は効率的かつ小気味よく扱わねば、お飾りとなる。そこで今回はこの「上流工程における品質活動」について確認する。
上流こそ品質の総本山
テストで上流工程の品質の弱点を見つけても遅い。それは無視されるかもしれない。それが軽度の弱点であればなおさらで、「次の開発では検討します」と返されるのが関の山である。そこで上流工程で品質の美点を作り込み、弱点をカバーする。これは上流工程こその利点である。
企画段階では品質の美点を「誰のために」「どこで」「何を」「いつ」「どのようにするのか」そして、「どのように作り込むか」を考える。このように美点を5W1Hで考えると、具体的な目標を得たことになる。
例を挙げよう。使用性と性能効率性の両立という品質を5W1Hで分解して、具体的に考えるとする。
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