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LPWAの急伸、MIPSの落日。IoTの歩みは緩やかに:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(2/2 ページ)
2018年も始まって数週間となるが、過去を振り返ることは未来の予測に役立つので、今回はエレクトロニクス/組み込み業界的にインパクトのあった2017年のトピックを紹介したい。
IoT(Internet of Things)という単語が使われるようになった発端は、南メソジスト大のDaniel Engels教授が1997年にITU向けの記事の中で使い始めてから(単語そのものを生み出したのは、Auto-ID CenterのExecutive DirectorであるKevin Ashton氏らしい)だから、世の中にIoTという言葉が生まれてからもう20年ほどになる。ただそのIoTという言葉がもてはやされるようになったのは、2013年ごろからだろう。
ゆっくり立ち上がるIoT
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