組み込みAI
ET2017にみる「組み込みAI」への遠い道のり(2/3 ページ)
さて、では「組込みAI活用ゾーン」(Photo05)の各社は?というと、これがホール各所の展示に輪をかけてひどかった。
例えばロゼッタのブースは自動翻訳ソリューションの展示で、内容は翻訳時の表現や言い回しに関してAIを利用して学習、翻訳に役立てるというだけのものだった。TQ-SystemsはドイツのCPUモジュールメーカーで、どうしてこれが「組込みAI活用ゾーン」に分類されたのか分からない。
テクノブレーンは特許分析システムの展示を行っていたが、同社の本業は言ってみれば人材派遣業であって、事業概要をみてもこの分析システムの話が出てこない。Photo05に名前の出てこないブースについても、どうみてもAIと無関係なものが展示されていた。そしてその無関係の最右翼がD-04のGroove Xだ。
結局、「組込みAI活用ゾーン」とはなんだったのか
MONOistの獣道レポートにも書いたが、Groove Xは2015年設立のロボット開発ベンチャー。組込み活用ゾーンのほぼ半分を使ってパレットを積み上げ、CEOの出演しているビデオを流すだけというありさまである。
なぜこんなことになったのかを関係者に聞いたところ、そもそも組込みAI活用ゾーンを設けたものの、応募がなかったらしい。結果、少しでもAIに関係がありそうならOKということで無理やりコマを埋めた、ということらしい。
そこまでしてもスペースが余ってしまい、結果、「Groove Xはベンチャーだし、ロボットということはAIだし、なら超割安で提供しましょう」という大盤振る舞いの結果が休憩所になった、というのはなかなかに笑えない。さすがにこれは事務局でも問題になりそう、なんて話も耳にしたが、実際どうなったのかは分からない。
筆者の個人的な感想としては、これも獣道レポートに書いたように「取りあえずET展の事務局の意向をあえてぶっちぎって自社のアピールに使う、という姿勢そのものはベンチャーらしくてむしろほほえましい」なのだが、事務局がこれをどう判断するのかはちょっと読めない。
さて、そんな中で唯一AIに関連する展示というかソリューションを出していたのが京都のアックスだ(Photo07)。
同社は人工知能エンジン「ごまめ」と、Raspberry PiにOpenCVとSVMを載せた「阪急電車判別器」(OpenCVを利用して画像認識を行い、与えられた画像が阪急電車か否かを判断する)という、「組込みAI活用ゾーン」の意図に沿った展示をしていた。
このアックスの存在と展示が、組込みAI活用ゾーンそのものが意味不明になる事態を辛うじて食い止めていた。少なくともET2017における組込みAI活用ゾーンという展示は、限りなく失敗だったと思う。
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