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スマートフォンとIoTハブの類似性:SYSTEM DESIGN JOURNAL(3/4 ページ)
IoTのシステムアーキテクチャは急速な進化を続けており、その進化は新たなシリコンすらも生み出そうとしています。HotChipsで発表された3つのトピックから、この新たな動向について解説します。
スマートフォンとIoTハブの類似性
1つ目の興味深いケースは、複数の近隣コントローラーの動作を結合すると機能上の利点がある場合です。この状況は複数コントローラーが同じプロセスの異なる部分を処理しているものの、近隣コントローラーが収集しているセンサーデータが全てのコントローラーに恩恵をもたらす場合に発生するかもしれません。全てのセンサーデータを収集し、全てのアクチュエーターを制御するワイヤレスハブに制御アルゴリズムを移動することにより、卓越した制御最適化が可能になります。
現在、そうしたシステムは通常、センサー及びアクチュエーター上のローカルワイヤレスMCUから専用ワイヤレスハブまでの短距離ワイヤレスリンクを使用して実装されます。カバーすべき範囲が低消費電力ワイヤレスリンクにとっては広くなりすぎた場合、システムを強力なワイヤレスネットワーク、Wi-Fi、さらにはセルラー接続へと段階的に拡大して、ブリッジする距離を伸ばすことができます。
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