産業用CFカードとPATA SSD、電源バックアップを内蔵:TDK CFA9D/SDA9Dシリーズ
TDKは産業用SSDとして、CF(Compact Flash)カードの「CFA9Dシリーズ」と、PATA(Parallel ATA)対応2.5インチSSDの「SDA9Dシリーズ」を発表した。前世代品を発表してから約7年ぶりにリニューアルした。
TDKは2017年4月27日、産業用SSDの新シリーズとして、CF(Compact Flash)カードの「CFA9Dシリーズ」と、PATA(Parallel ATA)対応2.5インチSSDの「SDA9Dシリーズ」を発表した。
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両方とも、SLC(Single Level Cell)のNAND型フラッシュメモリを搭載し、TDKが開発したNANDフラッシュ制御IC「TDK GBDriver RA9(以下、RA9)」を搭載している。半導体製造装置や工作機械、カーナビゲーションシステム、デジタルサイネージ、監視カメラなどのセキュリティ端末など、幅広い産業向け用途を想定している。両シリーズともサンプル提供は同年6月ごろ、販売は同年8月に開始する。生産数は月産1万個の予定。価格は要問い合わせとなっている。
容量については、CFA9Dシリーズは128MB〜32GG、SDA9Dシリーズは1G〜64GBの範囲でラインアップしている。
RA9は、前世代のNANDフラッシュ制御IC「TDK GBDriver RA8」に比べて、大きく3点が異なる。1つ目はECC(Error Check and Correct)の能力を2倍にしたことだ。RA8では15ビット/512バイトだったが、RA9では最大30ビット/512バイトのエラー訂正能力まで拡張できる。
2つ目は、電源遮断に対する耐性を強化したことだ。対電源遮断アルゴリズムに加え、電源バックアップ回路を新たに搭載した。これにより、電源の遮断が起きた際、書き込み対象データ以外のデータが破壊される巻き添えエラーを防止するとしている。TDKによれば、特にCFカードでは、スペース上の制約から、電源バックアップ回路を搭載している製品はあまりないという。「ただし、産業向けSSDでは、信頼性の点から電源バックアップ回路を搭載してほしいというニーズは高い」(TDK)
3つ目はオートリフレッシュ機能だ。起動時にエラービットがないかどうかを確認し、ある場合には自動的に訂正する。オートリフレッシュ機能は、SATA(Serial ATA)対応SSDでは搭載していたが、PATA SSDでは初めてとなる。2シリーズでは、最先端プロセスのNANDフラッシュを搭載している。前世代では43nmまたは32nmプロセスだったが、今回は24nmプロセスのNANDフラッシュを採用した。
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