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産業機器にLinuxの風、なぜルネサスがLinuxを「推す」のか:ルネサス 産業向けルネサスマーケットプレイス(2/3 ページ)
マイコン性能が向上し、生産機器の「つながる化」が求められている中、産業機器へのLinux搭載が脚光を浴びている。ルネサスは対応チップ提供のみならず、マケプレの開設で産業機器へのLinux搭載を“推し”ていく。
Linxu活用への障壁
マーケットプレイス開設の背景には、RTOSを主に扱ってきた企業がLinuxを使おうとすると、扱いに慣れていないことから導入/開発/検証のいずれにも時間がかかってしまうという「開発側の負担」が存在する。
。そこでマイコンベンダーが「Linuxの標準パッケージ」「動作検証とメンテナンス」、さらにはAPI検証のテストレポートを発行することでの「エビデンス確保」「クラウドを利用してのLinux開発環境」までも提供することで、機器開発企業の負担軽減を狙うのがこのマーケットプレイスだ。
こう書くと半導体ベンダーが技術商社のような役割を狙っているように見えるが、あくまでもマーケットプレイスは「評価と開発の場所」(高槻氏)と位置付けられており、認証済みソフトウェア(評価版)の登録やダウンロードなど、提供されているサービスは無料で利用できる。そこにはルネサス自身も「マイコンにおけるLinux導入で苦労した経験」を伝えたいという思いもあるとする。
登録されているツールやソフトウェアは全て、RZ/G上での動作確認はもちろん、どれだけのパフォーマンスが出せるのかまでも確認された後に登録される。つまり、製品開発を行う企業としてはベースとなるボードやツール、ソフトウェアなどをマーケットプレイスから選択して組み合わせることで、差別化要因となるオリジナルのアプリケーション開発に専念することが可能となる。
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