FAから医療まで幅広い用途で活用できる産業用3次元デジタルカメラ:リンクス Basler ToF(Time-of-Flight)
リンクスは、独Baslerが開発した産業用3次元デジタルカメラ「Basler ToF(Time-of-Flight)」の販売を開始した。
リンクスは2016年12月7日、独Basler(バスラー)が開発した産業用3次元デジタルカメラ「Basler ToF(Time-of-Flight)」の販売を、同年11月1日から開始したことを発表した。
同製品は、産業用デジタルカメラ市場大手のバスラーが開発した、同社初となる3次元デジタルカメラ。既存の3次元カメラのように、レーザースキャナーなどの付属機器を追加で設置する必要がなく、容易に利用できるのが特長であるという。また同製品は、光学部品とギガビットイーサネットインタフェースを搭載し、用途に応じて電子回路を調整したキャリブレーション済みの状態で出荷される。追加機器などが不要であることから、従来の3次元カメラと比較して、システム全体を構築するためのトータルコストを削減できるという。
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3次元計測の手法には、カメラの光源からの光が、撮影する対象物や場所などに到達し、カメラに戻ってくるまでの時間を計測することで、対象物との距離を算出するTime of Flightを採用。この手法により、2次元の画像と、光源からの距離データを同期させることで、3次元の画像データを取得できる。
リンクスは、2009年にバスラーと総代理店契約を締結し、国内においてバスラー製品を独占的に販売している。今回取り扱いを開始したBasler ToFは、FAや物流、ロボットビジョン、生体認証など、幅広い用途で利用可能。リンクスとして、主に物流業や自動走行、医療業界を対象に販売活動を展開していくという。
以下にBasler ToFの主な仕様を示す。
製品名 | Basler ToF(Time-of-Flight)<バスラー トフ> |
---|---|
解像度 | 640×480(NIR) |
フレームレート | 20fps |
撮影範囲 | 0〜13m |
精度 | ±1cm(環境により異なる) |
インタフェース | Gigabit Ethernet、GigE Vision 2.0、GenICam対応 |
レンズ | 57°h×43°v |
ソフトウェア | Windows、Linux対応 |
国内販売開始 | 2016年11月1日 |
表1 Basler ToF(Time-of-Flight)の主な仕様 |
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