大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
半導体不足は2023年も好転しないと見る理由(3/3 ページ)
Programmable Logic
FPGAとかCPLDであるが、レポートはAltera(Intel)の分だけである。で、大規模製品はリードタイム65週、小容量品やCPLDは46週でリードタイム・価格ともに安定という話であるが、65週ということは5四半期、46週でも3四半期半ほどになる計算で、もうFPGAのメリットが半分ぐらい消えている気がする。
Passive Device
いわゆる受動部品全般で、これは非常に多岐にわたるのだが、例えばOSC周りで言えばリードタイム30~50週で、しかも価格とともに上昇中とか、フェライト系の部品は最長でも35週、通常20週程度のリードタイムながら価格は上昇中とか、結構コンポーネント別に変動が大きい。全体としてはリードタイムが伸びる方向になっており、価格は一部の製品を除くとおおむね安定といったところだ。
Connectors
ここにはPCBとかジャック類、SIMM/DIMMスロットやRFコネクタなどが含まれるが、もう全てがリードタイムが伸びる方向で、価格も上昇方向にある。ただ個々のリードタイムはメーカーによってだいぶ違う。例えばPCBはSamtecが10~12週なのに、Molexだと25~30週といった具合だ。全体としては10~30週程度で、最悪でも7カ月待てば入ってくるというのは、しかし救いになる数字なのかちょっと悩ましい。
Emechs
パワーリレーとかタイマーリレーなどで、こちらは(これも製品によるが)8~70週とバラつきが大きい。比較的リードタイムが長いのは高周波リレーで、これが16~70週、あとはSafety Relayが20~35週といったところ。やはり高機能なものほど長くなるのは仕方ないところだ。全体としてはリードタイムは上昇傾向、価格は平均するとやや上がり気味といったところ。
といった感じになっている。
ここまで見てると総括の「ややリードタイム減少」はどこの話だ? という感じだが、リードタイムが安定傾向にあるものは少しづつ減っており、トータルで平均すると189日が185日に減少した、という話だ。ただ現状でも平均で185日だから、要するに設計が完了する半年前に部品手配を始めないと間に合わないという意味でもあり、しかも実際には一部の基幹部品は引き続きリードタイムが1年を超えている状況で安定している。この状況で設計を行うのは、大変なことである。
もう少し長期のスパンで見ると、例えばSupply Chain Connectの2018年のレポートによれば、2018年第4四半期におけるSemiconductorとPassiveのリードタイムは12週強、InterconnectやEmechが10週ほどである。現状は? というと、この2倍のリードタイムになっているわけで、しかもリードタイムは減りつつあるとは言えその減り方はまだ十分とは言い難い。
厄介なのは、既に2018年のレベルまで戻っている部品(一部の抵抗とかレゾネータ)がある一方で、異次元のリードタイム(Vishayのパワー半導体の75~150週はちょっと凄まじすぎる)が維持されている部品もあることで、でも全部の部品が揃わないと製品が完成しないことを考えると2018年頃の、つまりこんな半導体不足が騒がれる前のリードタイムに戻るのには、まだ年単位の時間が掛かると覚悟しておくべきなのだろう。
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これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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