大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
RISC-Vエコシステムの興隆を妨げる問題とその解決案(3/3 ページ)
さて以上の状況を踏まえて再びRedmond氏のスライドに戻るのだが、これまでは命令セットのみに言及される事が多かったのが、ついにPlatform standardsへの言及が行われた(図2)。以下のスライドはBackup用ということで講演では示されなかったのだが、RISC-V InternationalのTSC(Technical Steering Committee)の下に、いくつかのHSC(Horizontal Steering Committee)が設けられており、そのうちの一つのPlatform HSCがまさしく筆者の説明したような項目について今後作業を行う事が示されている(図3)。現状はConfigurationのTechnical GroupとHypervisor向けのSIG(Special Interest Group)のみが活動中だが、TODOとしてまさしくCMSISとかHALに当たる仕様の策定が必要と認識されている事が明確に示されたのは、かなりの前進だと筆者は考える。
一点懸念を示すとすれば、この手の仕様は早く決まらないと、それだけこの仕様に沿わない製品がより多く市場に出てくるわけで、混乱がより増す事につながる。ところが民主的な組織の場合、意思決定には時間を要する事が多い。良い例はIEEEの仕様策定プロセスだが、RISC-V Internationalでもこれは同じである。例えばVector Extensionが最初(Version 0.1)に言及されたのは2017年のRISC-V 7th Workshopだったのに、仕様が最終的に策定された(Version 1.0)のは2022年6月で、実に5年も要している。RISC-Vの更なる発展には、こうしたインフラの仕様策定が必須であり、Platform HSCが迅速な作業を行ってくれることを祈るのみである。
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大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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