宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(78)
いま動いているその機器、果たしてそれは“安全に動いている機器”ですか?(1/2 ページ)
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届け! 今回はインターネット家電の話から、機器の脆弱性とその対策について紹介します。
先日、日本を代表するゲームメーカーである任天堂が、自社製品を「使用中止」してもらうためのお知らせを公開しました。これは無線ネットワークアダプタに関連する製品で、セキュリティ保護の観点から使用を中止し、他の製品に切り替えていただくようお願いする文書です。
対象の製品が発売されたのは2005年および2008年と相当古いもの。当時もWEPと呼ばれる暗号化方式は既に攻撃手法が成立しており、WPAへの移行を叫ばれていたものでした。しかし、任天堂のニンテンドーDSやソニーのPlayStation Portableなど、WEPしか使えない機器のための仕方なく有効にしていた方も少なくないと思います。
今回はそれに加え、脆弱性の発覚もあり、製品の使用中止を発表することになったのかと思います。最終出荷は2013年。ネットワーク機器を10年近く使うのは、脆弱性が発見されていなくても合理的ではありません。皆さまのネットワーク環境もぜひ、いま一度ご確認していただき、最新のファームウェアへのアップデートをお願いいたします。
「インターネット家電」の限界
2000年代、さまざまな家電に、付加価値としてインターネット接続機能をつけるという動きがありました。個人的にもエアコンや照明器具、テレビ録画などに関してはインターネット接続が有効に機能し、非常に便利だと思います。しかし、インターネットにつなぐことで、さまざまな脅威を家庭内に呼び寄せてしまうということは、当時はあまり理解されなかったような気がします。
もう一つ、大きな話題になった事象がありました。三菱電機が提供する複数の家電製品において、脆弱性が公開されたというものです。本件は実際のインシデントが発生したためではなく、「この脆弱性情報は、製品利用者への周知を目的に、開発者がJPCERT/CCに報告し」明らかになったということは最初に押さえておいてください。
これを見ると、想像以上に家電製品がネットワークにつながっていることが分かります。また、脆弱性情報とその回避方法を見ると、そもそも家庭内ネットワークが攻撃されないよう、ルーターのパスワードを強化する、ルーターのファームウェアを最新にするなどが提示されています。つまり、アップデートは提供されていません。
インターネットにつながる家電は、構造上多くの製品でアップデートが難しい、もしくはそもそもアップデートの仕組みがないものが多いです(特にインターネット家電初期の製品)。当然、脆弱性がないように注意しているのは間違いないと思いますが、攻撃手法は日々巧妙になり、製品を作っていた当時では想像もつかない手法もあったかもしれません。
現在、「脆弱性をなくす」ことは非常に難しいと言わざるを得ません。脆弱性がないことを期待するのではなく、脆弱性が見つかっても迅速に対応ができる体制を、メーカーが持っているかが重要だと私は考えています。
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宮田健の「セキュリティの道も一歩から」
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