宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(70)
「侵入型ランサムウェア攻撃を受けたら読むFAQ」があなたの組織を救う、かも(2/3 ページ)
被害を受けたら、どのように対処すべきか?(Q1-3)
この資料では、ランサムウェアの被害を受けたとき、どう対処すべきかを3つの方針を紹介しています。それが下記の3つです。
(A) 攻撃の被害範囲を把握し、被害の最小化を図る
(B) 攻撃の原因を解消するため、考えられる侵入経路をふさぐ
(C) 攻撃者の要求には応じず、バックアップから復旧する
ランサムウェアに限らず、マルウェアによる侵害を受けた際には、それを「検知/認知」し、「初動対応」を行い、「被害を最小化」することが求められます。このためには、社内体制の確保が必須で、被害の規模、範囲などの情報を社内で適切に共有することが重要でしょう。これはランサムウェアの被害を受ける前に、しっかりと行っておく必要があるものです。上記3つの方針をすぐに立てられるように、事前に体制を作っておくことこそが、いまできる最善の策といえるでしょう。
加えて、FAQの中では「外部組織と連携する担当者を確保するなどの社外向けの体制確保も検討」すべしと述べています。外部と相談をするにしても、外部からの情報を受け入れるにしても、そこに「担当者の名前」が必要となるでしょう。情報のコントロールこそが、私たちが持つ武器でもあるわけです。これも、事前に整えるべきものの一つです。
攻撃者に身代金を払うべきか?(Q3-2-1)
ランサムウェア特有の事象としては、「攻撃者に身代金を支払うべきか?」という命題があります。FAQ内では、「JPCERT/CCは、(中略)身代金の支払いを選択するべきではないと考えます」と明言しています。さらに、攻撃者と交渉を行うことも推奨していません。
これについては、専門家も判断が分かれているところです。JPCERT/CCのような組織の立ち位置を考えれば、攻撃者という反社会的勢力との関わりは御法度とするのは自然でしょう。しかし、こちらもその被害から復旧しなければ、場合によっては命に関わることになるわけです。これについては、交渉に応じないか、それとも何らかの条件が合致すれば身代金を支払うかについては、事前に組織の意見を統一しておく必要があるでしょう。
お気付きかもしれませんが、この判断はシステム担当者、セキュリティ担当者だけで判断できるレベルの命題ではありません。まさにこれは経営判断であり、社長、会長レベルの判断が必要です。これも、いますぐできるランサムウェア対策の一つです。同時に、どのようなレベルの被害が発生したら、工場やシステム全体を止めるかという点も意識をあわせておくとよいでしょう。有事のときに悩んでも仕方がないことですから。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
宮田健の「セキュリティの道も一歩から」
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届けします。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
2
高度な半導体/電子デバイスの非破壊不良解析を支える「3D X線技術」に迫る
-
3
「ロボットアーキテクチャ」実態調査2026年版:現在の課題と優先事項を解説
-
4
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
5
スマート工場動向調査2026
-
6
【読者調査結果】製造業の脱炭素動向調査2026
-
7
「見て覚えろ」が通じない時代 製造業の保全技術はどのように継承すればよい?
-
8
SiC・GaN時代のパワー半導体開発、信頼性評価と故障解析の課題にどう対応する?
-
9
動き出したファナックの「フィジカルAI」
-
10
はじめての化学工学まとめ(Part1)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー