宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(46)
今年も発表された10大脅威、上から見るか下から見るか?(1/2 ページ)
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届け! 今回は、IPAが発表した最新の“10大脅威”をご紹介します。
前回、ドイツの10大脅威を紹介しましたが、日本における最新の“10大脅威”が発表されました。情報処理推進機構(IPA)が毎年公開している「情報セキュリティ10大脅威 2020」です。
今回はその順位が先行して発表されている形で、これらの脅威の詳細な解説や対策については、2020年2月下旬には公開される予定です。主にTechFactory読者に取っては、この表の右側「組織」のランキングに注目してほしいと思いますが、2020年は初めてランクインするような突出した脅威はなく、1位は昨年同様「標的型攻撃による機密情報の窃取」が挙げられています。これに関しては2020年早々に三菱電機やNECなど、日本を代表するような企業がサイバー攻撃を受けたという報道がありました。その意味でも、1位であることに異論はないと思います。三菱電機のインシデントに関しては、第3報として攻撃手法の概要とその対応レポートが公開されています。皆さんもぜひ、これを対岸の火事と思わずにしっかり読み、自社で同じことが起きたらどうなっていたかを想像することをお勧めします。
そして今回、2020年の10大脅威でやっぱり気になるという点を、もう1度ピックアップしたいと思います。
順位が高いことよりも「急上昇した脅威」に着目しよう
10大脅威を読み解くコツは、「毎年どんな脅威がピックアップされたか」とともに、「今回急上昇したのは何か」をチェックすることにあると、私は考えています。その観点でいうと、今回ピックアップされている脅威の中では「内部不正による情報漏えい」(3ランクアップ)、「予期せぬIT基盤の障害に伴う業務停止」(10ランクアップ)、「不注意による情報漏えい(規則は順守)」(3ランクアップ)が気になるところです。
一気に10ランクもアップした第6位の予期せぬIT基盤の障害に伴う業務停止に関しては、おそらく2019年12月に発生したような自治体向けIaaSが障害により停止するなどのような、クラウド基盤そのものにトラブルが発生し、その上に乗っているシステムが全て影響を受けるというようなものを指しているでしょう。そのため、製造業ではあまり意識しなくてもいいかもしれません(しかし、IT分野ではクラウドを活用し始めていると思うので、こういった障害に対しての想定はすべきでしょう)。
そうなると気になるのは、「内部不正による情報漏えい」「不注意による情報漏えい」かもしれません。特に分かりやすいのは「内部不正による情報漏えい」という脅威でしょう。従業員、関係者など正しいアクセス権限を持っている人間が、内部からしかアクセスできない情報を不正に取得、それを外部に持ち出すという内容で、これは何も新しい脅威ではないことは、皆さんも理解していると思います。それがいま、急上昇しているということは、こういった不正な行動がある意味当たり前に行われている可能性がある、と認識すべきかもしれません。
日本的な企業ならば、従業員は仲間であり、家族同然の存在。そういった存在を「疑う」ということは、社長や経営者にとっては断腸の思いであるはずです。しかし、実際にそういった不正が発生していることは事実。そのためには、疑わなくて済むように「不正検知をしっかり入れる」ということが重要かと思います。
特に製造業においては、社外秘の調合レシピや門外不出のノウハウなど、重要な情報がたくさんあるはずです。そういったものにアクセスできる人間そのものを絞り、かつしっかりとした本人認証の仕組みが必要なのかもしれません。これをデジタルの力で実現するソリューションはたくさんあります。ぜひ、チェックしてみてください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
宮田健の「セキュリティの道も一歩から」
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届けします。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー