ニチコン ESS-H1L1
容量12kWhの家庭用ハイブリッド蓄電システム
ニチコンは、ハイブリッド型として“同社初”となる家庭用蓄電システムの新製品「ESS-H1L1」の受注を開始した。
電子部品メーカーのニチコンは、ハイブリッド型としては同社初となる家庭用蓄電システムの新製品「ESS-H1L1」の受注をこのほど開始した。2016年7月以降順次出荷する予定だ。同社は2012年夏に家庭用蓄電システムの第1号を発売して以来、国内向けに合計約3万台以上の蓄電システムを生産・出荷してきた。これらの蓄電システムは、太陽光発電からの電力を交流で入力する単機能型に分類されるもので、売電を主目的とする太陽光既設ユーザーの追加設置需要に伴い実績を伸ばした。
しかし、売電価格は年々低下傾向の一方で電気料金は徐々に上昇傾向にあるため、今後は太陽光発電を自家消費するニーズが高まるとみられている。2009年に始まった余剰電力買取り制度から10年後となる2019年には、全国で45~57万棟の売電終了ユーザーが発生するとみられ、蓄電システムの追加で売電から自家消費への移行ニーズが期待されている。
また、2016年度からCO2削減のためのZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)推進政策や、既築住宅への断熱改修促進政策の中で、太陽光を自家消費するための蓄電システムの補助制度も始まり、新築、既築住宅への蓄電システム設置のニーズも高まりつつある。
ニチコンはこれらの需要に応えるべく、太陽光発電による電力を迅速に蓄えて夜間にも使え、停電時も家中ほとんどの電気機器などをバックアップ可能な、大容量・高出力ハイブリッド蓄電システムを今回発売する(図1)。
従来の単機能型では、直流で発電された太陽光発電の電力をパワーコンディショナで一度交流に変換する。そしてこの電力を蓄電池に充電するには、もう一度直流に変換するため、変換ロスが生じる点が指摘されてきた。このロスを最小限に留めるために太陽光と蓄電池のパワコンを一体化したのがハイブリッド型だ。また、太陽光発電や蓄電充放電量などの運転状況を一台で確認し、さらに制御も行うことが可能で、将来期待されるDR(デマンド・レスポンス)やVPP(バーチャル・パワー・プラント)などの新サービスにも対応しやすい特徴がある。
蓄電池は業界最大級とする容量12kWh(キロワット時)のものを採用。高出力・高効率ハイブリッド・パワー・コンディショナを搭載し、これにより系統連系出力5.9kW(キロワット)、太陽光入力最大6kW。および太陽光から蓄電池充電能力最大5.9kW、自立時出力5.9kVA(キロボルトアンペア)の性能を確保している。停電時出の出力は約6kW。燃料電池との連携も可能で、酷寒地域にも設置できる。この他リモコンも付属し、15年間の長期無償保証(リモコンは5年間)や各種蓄電システム補助金への登録にも対応している。
これまで「ニチコン」ブランドの蓄電システムは、一部を除いて、主に住宅メーカーだけに直販してきたが、新製品は太陽光発電システムメーカー、住宅建材商社などさまざまなルートで販売する。従来機の単機能型モデルと合わせて、初年度は月1500台の出荷を目標とする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品ニュース(蓄電・発電機器)
製品選定に役立つ最新の「蓄電・発電機器」関連ニュースをお届けします。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:「PCIM 2026」で見たパワー半導体最前線――電子版2026年10月号
-
2
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
3
スマート工場動向調査2026
-
4
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
5
AIエージェントで製造業の暗黙知を継承、熟練者の思考を再現する保全強化策
-
6
製造現場などを支える状態監視システム サンプリングの位相ずれを減らすには?
-
7
DMG森精機の欧州深耕
-
8
高精度テクノロジーの学習モジュール 「高精度ADC 基礎編・上級編」
-
9
QC活動の形骸化はどう防ぐ? 実効性のある業務へ転換する3つの解消策とは
-
10
太陽光発電と蓄電池を最適制御、再エネ活用とコスト削減を両立する製品とは?
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー