設計空間の探索をサポートする感度解析ツールを追加:MathWorks Simulink Design Optimization
MathWorksは、「Simulink Design Optimization」に設計空間の探索をサポートする感度解析ツールが追加されたことを発表した。
MathWorks(マスワークス)は2016年9月8日(米国時間)、「Simulink Design Optimization」に設計空間の探索をサポートする感度解析ツールが追加されたことを発表した。
感度解析ツールは、「Release 2016a」の一部として追加されたもので、設計技術者はSimulink Design Optimizationを使用して、Simulinkモデルの実験計画およびモンテカルロシミュレーションを対話的に行うことができる。
設計技術者は、パラメーターの変更がモデルの動作にどのように影響するかを頻繁に確認する必要がある。例えば、燃費などの設計特性に対してどのパラメーターが最も大きな影響を及ぼすかを特定することにより、技術者は設計が規定の要件を満たしていることを確認できる。
感度解析ツールを使用すれば、モンテカルロシミュレーションによる解析を実行でき、大規模な設計空間の探索が可能になる。同ツールは、対話的に複数のパラメーター変動を指定し、多数の標準およびカスタム設計要件を取り込んで、シミュレーション結果を視覚的・定量的に解析する。
感度解析の結果を使用することで、設計に直接影響を及ぼすことができるだけでなく、モデルをテストデータに近似させたり、設計要件を満たすようにモデルを調整したりするなど、数値最適化タスクのパフォーマンスを改善できる。また、Simulinkの高速リスタート機能およびParallel Computing Toolboxを使えば、感度解析ツールの処理をスピードアップさせることも可能であるという。
「Simulink Design Optimization」では、感度解析を実行し、モデルパラメーター(上)によりコスト関数がどのように変わるかを確認できる。統計を出してトルネードプロット(下)を作成し、どのパラメーターがコスト関数に最も大きな影響を与えるかを判別する
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- モデルベース開発環境の最新版「Release 2016a」登場
MathWorks Japanは、同社モデルベース開発環境「MATLAB/Simulink」の最新版「Release 2016a」を発表した。 - 「Simulink」を利用してCソースコードや制御アルゴリズムの並列化を実現
イーソルは、マルチ・メニーコアハードウェア環境向けのソフトウェア開発を支援する、モデルベース並列化ツール「eSOL MBP(仮称)」のプロトタイプを開発したことを発表した。 - MISRAのツールを「DS-5」に統合、安全性・信頼性の必要なARM搭載製品の開発に
ARMはソフトウェア開発ツール「ARM DS-5 Development Studio」に、コーディングガイドライン「MISRA」のツールを統合。安全の確保が必要となるARM搭載製品に最適なソフトウェア開発プラットフォームとして提供していく。 - 「IAR Embedded Workbench」をルネサスのIoT機器向け設計プラットフォームに提供
IARシステムズは、ルネサス エレクトロニクスのIoT機器向け設計基盤「Renesas Synergyプラットフォーム」に向け、同社統合開発環境「IAR Embedded Workbench」を「EWARM-RS」の名称で提供する。