宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(123)
USBメモリだけではない、身近なUSB機器に潜むリスク(1/2 ページ)
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もはや無関心ではいられない情報セキュリティ対策。今回は、陸上自衛隊でUSBメモリからマルウェアが検知された事案を手掛かりに、USBメモリだけではない「USB機器」全般のリスクについて考えます。
皆さんは、仕事で「USBメモリ」を常用しているでしょうか? 答えは「No」であってほしいと願いますが、どうしてもこれに頼らざるを得ないことが筆者にもあります。
わが家にはプリンタがないので、印刷するときはコンビニエンスストアのマルチコピー機まで出向いて作業をするのですが、このときに何らかのストレージメディアが必要になってしまいます。最近では、スマートフォン経由でネットプリントもできますが、やはり手軽なのはUSBメモリです。デジタルデータを物理的に持ち運べるという、非常に理解しやすい仕組みであることも大きなポイントかと思います。
しかし、USBメモリを巡る事案が報道されるたびに、そのリスクに注目が集まります。陸上自衛隊でマルウェア入りのUSBメモリが検知されたという報道を受け、やはりこの問題は継続的に周知しなければならないものだと感じました。
今回は、USBメモリを入り口に、分かっちゃいるけどやめられない便利な「USB機器」に潜むリスクを取り上げたいと思います。
陸上自衛隊の事案はどの組織でも起こり得る
まず、実際に起きたことを整理します。陸上自衛隊は2026年6月30日の定例記者会見で、中部方面総監部において、2024年4月以降に使用していたUSBメモリから、2025年2月にマルウェアを検知した事例があったと説明しました。そのマルウェアによるシステムへの影響はなく、外部への情報流出も確認されていないと述べられています。
この件に関しては、2026年6月26日に行われた小泉防衛大臣の記者会見でも言及がありました。
会見では、「USBメモリの調達に際し、重要性や運用環境などに応じて、事前に安全性を確認するなど、適切にサプライチェーンリスクに対応することとしている他、USBメモリの使用に際しても、例外なくウイルスチェックを実施し、安全性を確認する」とされています。
当該USBメモリの型番は公表されていなかったのですが、いわゆるノーブランド品で、容量偽装が行われていたものではないかという報道もありました。
USBメモリの利用制限やウイルスチェックは、ランサムウェア被害が大きな注目を集めるよりも前、情報セキュリティがここまで重要視される以前から、基本的な対策の1つとして行われてきました。
しかし、話題が他のセキュリティ施策に集まるにつれ、分かっている人にとっては「当たり前の施策」となり、そうでない人には意識されにくい話題として、あまり取り上げられなくなっていたと思います。
話題にならなくなったとしても、脅威はそこに存在し続けています。しっかりと対応を考えていかなければなりません。
もしこの脅威についてあまりよく知らないという方は、かつて大変大きな注目を集めた「ベネッセ個人情報流出事件」を調べてみるとよいでしょう。
ベネッセがこの事件を今も教訓としていることは、10年以上前の事件であるにもかかわらず、現在もその概要をしっかり発信していることからも分かります。ここまでの爪痕を残す可能性のあるデバイスであることは、多くの人が認識しておくべきだと考えます。
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宮田健の「セキュリティの道も一歩から」
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届けします。
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