「3年後の自分に丸投げ」で大丈夫? 突っ込みどころ満載なPCIe 8.0:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
現在、仕様策定が進んでいるPCI Express 8.0。同規格ではPCI Express 7.0の帯域を倍増させることが明らかになっている。だが、その鍵になる技術については実現の見通しが甘い部分があるのは否めない。どういうことか、解説しよう。
2025年8月に一番話題になった事と言えば、Intelのダッチロール状態と、WindowsがSSDを破壊するというあたりかと思う。前者に関して言えば、ファウンドリー事業の放棄の可能性や国有化なんて話題まで出てきて、既に技術的な問題とか商業的な問題の枠を超えて政治的問題になりつつある状況であり、この連載の手には余る。一方後者は障害の際の被害の大きさからかなり注目を集めた。ちなみに後者に関して、原稿執筆時点ではまだ完全に解決しているわけではない事もあって、引き続き状況を確認してゆく必要があり、これまた記事にしにくい。そんな訳もあって、今月はちょっと違う話をご紹介したい。
2025年6月11日、PCI-SIGはサンタクララのSCCC(Santa Clara Convention Center)で開催されたPCI-SIG Developers Conferenceにおいて、PCI Express 7.0の標準化完了と、これに続きPCI Express 8.0の仕様策定作業の開始を発表した。実はこの時には、そのPCI Express 8.0の速度や構成については「未定」ということで明らかにされなかったのだが、8月4日に同じSCCCで開催された「FMS(the Future of Memory and Storage) 2025」で行われた記者発表会で、PCI Express 8.0が7.0の帯域を倍増させることが明らかにされた。この2つについて順に説明してゆきたい。ちなみに後述するが、質問に対する返答はPCI-SIG ChairmanのAl Yanes氏より頂いている。
PCI Express 7.0の仕様をおさらい
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.