連載
停滞するIntel、差を縮めるAMD:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/4 ページ)
エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、2022年1月末〜2月1日に行われたIntelとAMDの決算発表から、両社の動きを読み解いてみる。
ちょっとだけ1月をはみ出して恐縮だが、米国時間の2022年1月26日にIntelが、同年2月1日にAMDが、それぞれ2021年第4四半期および2021年通期の決算発表を行った。そこで両社のForm 10-Kをベースに、決算結果を読み解いてみたいと思う。
まずTable 1がIntelとAMDの2019〜2021年の主要な財務数値となる(単位はMillion $)。売り上げ(Net revenue)そのもので言えば引き続きIntelは800億ドル近くを売り上げる巨人であって、AMDは2021年に大幅な売り上げ増加を見せたとはいえ、まだ5倍ほどの売り上げの差がある格好だ。ただ、粗利益率(Gross margin)を見てみると、Intelは2019年の58.6%から毎年着実に割合を落とし、55%台まで下げているのに対し、AMDは逆に急速に粗利率を向上させ、48%台に突入している。この調子で改善していければ、AMDは2023年度辺りにはIntelと粗利益率で並びかねない事になる。そもそも売り上げにしても純利益(Net income)にしても、2019年はIntelと一桁違っていた(純利益に至っては61倍もの差があった)のに、現在はどちらも5倍前後の差でしかない、という辺りがAMDの今の勢いを象徴していると言えなくもない。
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