連載
黄昏の時期に入ったx86:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、2020年を通して振り返ってみて感じた「x86」への筆者の見解をお届けする。
2020年12月は、あまり大きなイベントは無かったと言える。まあクリスマスシーズンということもあるし(ご存じのように特にアメリカは12月の早い時期からホリデーシーズンに突入するので、あまり動きがない)、COVID-19の第3波が日本を含む世界各国を襲っている状況もあって、大きな動きをしようがなかった、という側面もあるかもしれない。そんな訳で、12月というよりは2020年を振り返るのに近いが、ちょっと2020年を通して感じた筆者の見解をご紹介したい。
その見解とは「x86が黄昏の時期に入った」ことである。1981年にIBM-PCに採用されたことで、以来40年にわたりプロセッサ業界の主役であり続けたx86であるが、ここにきてその座が揺らぎ始めている様に思える。その象徴はApple M1であり、AWS Graviton2であり、そしてMicrosoftによるArmサーバの自社設計である。ただこれは象徴という話であって、話はもう少し根が深い。
組み込み向けの32bitプロセッサの変遷
いきなり話は飛ぶが、組み込み向けの32bitプロセッサの変遷を見てみるとおおむね
MC68K→MIPS32→PowerPC→Arm
という感じになっている。もちろんx86もずっと使われてはいるのだが、こちらはある程度大規模向けという感じである。さてこの変遷はなぜ起きたか? というと、
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