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セキュリティに力を入れるな? 狩野モデルに学ぶ“当たり前を魅力的に”宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(55)(1/2 ページ)

「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届け! 今回は、品質管理の分野で大きな影響を与えた「狩野モデル」の考え方とセキュリティについてお話しします。

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 「狩野モデル」という考え方があります。恥ずかしながら私はつい最近この言葉を知ったのですが、顧客が求める品質という言葉をさらに分解し、「魅力品質」「一元的品質」「当たり前品質」に分けて捉えるというものです。

 パッと思い浮かぶ“品質”は、もしかしたらこの分類のうち「魅力品質」を指すかもしれません。これは他の製品とは明らかに異なる、尖っている差別化要因を指します。顧客がどのようなものを欲しがるのかを探り、そのニーズに合ったものを提供できれば、優れた品質を持つ製品だといえるでしょう。

 では、それ以外の「一元的品質」「当たり前品質」とはなんでしょうか。一元的品質であれば、不充足だと不満が発生するもの、充足していれば満足なものです。これはおそらく、その製品のグレードに相当するもので、スペック表に掲載しているような数値的なものに相当するでしょう。そして当たり前品質とは、文字通り維持されて当たり前の品質であり、機能として確実に確保する必要がある品質です。

 では皆さん、あなたの組織において、製品のセキュリティは狩野モデルのどの品質に相当するものなのでしょうか?

当たり前品質は差別化要因にすらならない

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