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「試作できない工場」が取り組んだ全体最適化、日立大みかの目指すスマート工場の姿シリーズ「モノづくりの現場から」(日立製作所 大みか事業所)(2/2 ページ)

スマート工場の目標を端的に言えば、「新手法を取り入れた生産性向上」である。このテーマに2000年代前半から取り組む日立 大みか事業所のシステム設計担当者が発した「現在が変わって、初めて意味がある」という言葉の真意を探る。

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工場全体の最適化

 ここで紹介した制御盤生産におけるデジタルデータ活用を違う言葉で表現するならば、RFID生産監視システムによる「見える化」、作業改善支援システムによる「改善指示」、モジュラー設計システムによる「設計フィードバック」、工場シミュレーターによる「作業ロス改善」を循環させることで、「工場全体の最適化」を進める取り組みといえる。

循環型生産サイクル(出展:日立製作所)
循環型生産サイクル(出展:日立製作所)

 工場における改善というテーマではどうしても組立工程の話が耳目を集める。大みか事業所の制御盤組立ラインにおいても、設計時の3D CADデータを用いた「組立ナビゲーションシステム」や1品生産に対応した「進捗・稼働監視システム」、作業台のカメラ映像を分析してボトルネックを抽出する「作業分析システム」など興味深いソリューションが稼働している。

 これらはその部分部分においての生産活動を高く効率化するものであるが、それでも、大みか事業所の門間隆之氏(情報制御第3本部 IoTシステム設計部 担当部長)は部分最適化ではなく、「全体最適化」の重要性を強調する。その背景にあるのは、日立製作所が過去に陥った経営危機とその打開策にある。

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