なぜConnected Industriesは必要か? 製造業に迫る4つの「危機」:スマートファクトリージャパン 2018(2/2 ページ)
スマート工場など革新的な取り組みへの必要性が叫ばれて久しく、経済産業省もコンセプト「Connected Industries」を打ち出している。なぜConnected Industriesは必要なのか? 製造業に迫る4つの「危機感」から経産省の局長が必要性を訴える。
Connected Industriesとは何か
「Connected Industries」とは、日本の産業が目指す姿(コンセプト)として提唱された概念であり、大まかに言えば「目的を持って人・物・技術・組織などがつながることで、新たな価値創造を図ること」である。“つながる”モノは千差万別であるため、「どのようにつなげるか」の方法や技術はそれぞれで異なる。
Connected Industriesは「目指す姿(概念、コンセプト)」であるために抽象的であり、具体論とは切り離して理解しなくてはならないが、そのハードルを越えてこそ、新たな価値創造につながるというのが経済産業省の示す基本的な方針である。
「(Connected Industriesが)抽象的だという批判もあるが、そうした抽象的な概念、システム思考といった部分にチャレンジする必要がある。“目に見える形が思い浮かばない”“何をしたらいいのか”“これまで製造業を支えてきたのはカイゼンと要素技術開発だ”“工場でのカイゼンこそが全体最適だ”という指摘は正しいと思うが、それを乗り越えなくてはならない」(多田氏)
多田氏は「ただつながるのではく、目的を持ってつながることが大切」と繰り返し主張し、Connected Industriesの事例をいくつか紹介した。
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