経済産業省が「おもてなしスキルスタンダード」を策定:サービス品質の見える化や高付加価値化
経済産業省は、サービス品質の見える化や高付加価値化に向けて、サービス産業に携わる現場人材のスキルを標準化、体系化した「おもてなしスキルスタンダード」を策定した。
経済産業省は、サービス品質の見える化や高付加価値化に向けて、サービス産業に携わる現場人材のスキルを標準化、体系化した「おもてなしスキルスタンダード」を策定した。
◎編集部イチ押し関連記事:
» 音楽とは無縁だった半導体エンジニアが創り出したA4サイズのポータブルDJシステム
» 国内ベンチャーが目指す「スーパーカブ」のようなロケット開発
» 100人のデータサイエンティストを育成、ブリヂストンが研修プログラムを開始
» 今後10年以内にAIがあなたの仕事を「支援」もしくは「奪う」!?
» モノづくり技術者のための「履歴書」の書き方
今回の策定は、サービス産業における次世代の経営人材の育成を目指す、同省の「中小企業、小規模事業者人材対策事業(カイゼン指導者育成事業)」によるものだ。
策定に当たり、必要とされる4つの視点として「顧客」「同僚、チーム、仲間等」「地域社会」「継続、向上」を挙げる。これらの視点を踏まえて、客の期待を基に、現場の仲間などが力を引き出し合い、地域社会と共生しながら向上し続けていくという、実行プロセスを示す理念をまとめている。
その理念を踏まえ、サービス産業の現場人材に横断的に求められるスキルなどを「マインドセット」「接客接遇スキル」「業務オペレーションスキル」「ユニバーサル・ダイバーシティスキル」「仕組みづくり」というそれぞれの観点から、ベーシックとアドバンスの2段階の到達度に分けてリストアップしている。
例えば「マインドセット」の「おもてなしマインド」では、到達度のベーシックが「日本のおもてなしの背景を知り、ホスピタリティやしつらえなどを含む、おもてなしの概念について理解している」とされ、アドバンスではそれに加えて、「自らの業務に関連付けて顧客へのアクションとして体現することができる」となっている。
また「ユニバーサル・ダイバーシティスキル」の「ダイバーシティスキル」では、アドバンスの到達度を「出身国や属する文化により考え方や行動が異なることを認識する。来日数の多い国、文化の特性を知る。あいさつや簡単な案内など接客外国語の基本を知ったうえで、状況に応じて適切に対処できる」としている。
AI(人工知能)やロボットによって多くの雇用が代替されていく可能性が指摘されるなか、同省では、サービス産業において特に高付加価値市場の創出が必要であるとする。今回の策定により、スキル向上や新たなスキルの獲得を通じ、非定型で高付加価値型のサービスを提供できる人材の育成を目指す。
2018年1月から3月にかけて、おもてなしスキルスタンダードの項目を満たす人材育成プログラムが実施される。また今後、到達度に応じて、各種検定や人材育成プログラムへ反映させるなど、現場で活用する上でより実用性の高い仕組みにしていく。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 製造業大手15社に聞いたIoT導入の“いま”、求められる技術者像も多様化
» 35歳でも大丈夫!? 技術者転職のポイント【技術スキル編】
» メカ設計者/生産技術者のための「職務経歴書」の書き方
» 英語の文書を作成するコツは、とにかく“コピペ”しまくること……!?
» “できるエンジニア”に共通する10のルール
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 女性研究者の数は増加傾向にあるも、主要国と比較して低水準
主要8カ国中、最下位という結果に。 - 100人のデータサイエンティストを育成、ブリヂストンが研修プログラムを開始
ブリヂストンは、同社のソリューションビジネスをリードするデータサイエンティストを育成するための研修プログラムを開始。早期に100人のデータサイエンティストの育成を目指すという。 - IoT時代に求められるITインフラ技術者を育成、NTTコムやCTCなど6社
NTTコミュニケーションズ、伊藤忠テクノソリューションズ、NEC、KDDI、シスコシステムズ、日商エレクトロニクスの6社は、IoT時代のITインフラを支える人材育成に向け、「高度ITアーキテクト育成協議会(AITAC)」を設立し、活動を開始した。 - 3Dプリンタ利活用に必要な知識を評価・認定する資格試験が2017年2月にスタート
コンピュータ教育振興協会(ACSP)は、3Dプリンタの利活用に必要な知識を評価・認定する「第1回 3Dプリンター活用技術検定試験」(実施:2017年2月12日)の申し込み受け付けを開始した。 - 国内150会場で受験可能に! 「日本発、世界初」をうたうIoT検定が本格始動
IoT検定制度委員会はプロメトリックとのグローバル契約を締結。2016年12月から日本国内で、2017年からは全世界で「IoT検定」を開始する。