「転職の目的」を見失うと失敗する典型的な2つのケース:技術者が知っておきたい失敗しない転職活動のコツ(1)(1/3 ページ)
あなたにとって「転職の成功」とは何か? その目的を明確にし、ぶれずに活動できるかが転職の明暗を分ける。連載第1回では、転職の目的を見失ってしまった残念な2つのエピソードから失敗しない転職活動のポイントを学ぶ。
「転職に成功する」とはどのようなことだと思いますか? 高い役職に就くことでしょうか。年収アップでしょうか。それとも、チームで研究開発ができることでしょうか。いずれの答えも成功といえますし、一方ではいずれも成功とはいえない場合もあります。なぜなら、何をもって転職の成功というかは、“その人の目的次第”だからです。
転職活動は、目的を明確にすることから始まる
転職のきっかけは、大きく2つに分けることができます。倒産や事業撤退などによる「会社都合」と、現状に不安や不満を感じたことによる「自己都合」です。多く場合が後者での転職になると思いますので、初めて筆者のところに相談に来た方には、きっかけとなった事柄からお話を聞くようにしています。
当然、きっかけとなった事柄も1つとは限りません。仕事内容、労働環境、待遇に関することが複合的に関係していることが多く、人それぞれの事情があります。
では、転職の目的とは何でしょうか? それは、前述のような事柄を解決すること、解消することです。
しかし、目的に向かって転職活動を開始したものの、いつの間にか明確化した目的がぼやけてしまったり、ズレが生じてしまったりすることがあります。あるいは、目的そのものを途中で見失ってしまい、転職活動に失敗してしまうこともあり得ます。
では、そうならないためにはどうしたらよいのでしょうか? 2つの失敗エピソードから学んでいきたいと思います。
エピソード1:ある機械設計技術者の場合
大手工作機メーカーの子会社で、受注機器の設計業務に就いていた方が相談に来たときのお話です。
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