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最大板厚19mm鋼板の1パス溶接が可能な高能率アーク溶接システムを開発ダイヘン D-Arc

ダイヘンは、高能率アーク溶接システム「D-Arc」を開発。最大溶接電流650Aによる埋もれアークの溶け込み特性により、最大板厚19mm鋼板の1パス溶接が可能となった。

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 ダイヘンは2017年5月、高能率アーク溶接システム「D-Arc」を開発し、受注を開始した。最大溶接電流650Aによる埋もれアークの溶け込み特性により、最大板厚19mm鋼板の1パス溶接が可能となった。大型構造物、建設機械、造船などの溶接作業の高能率化に貢献する。出荷開始は同年7月からの予定。

 D-Arcは、大阪大学接合科学研究所と共同開発した、高電流域の炭酸ガスアーク溶接における埋もれアークの安定化制御技術を搭載している。溶接電流500A以上の炭酸ガスアーク現象を解析し、同社のデジタルインバーター制御式溶接機を活用することで、高電流域炭酸ガスアーク溶接の安定化制御に成功した。

「D-Arc」のロボットシステムでの構成例
「D-Arc」のロボットシステムでの構成例

 厚板の鋼板でも1回の溶接で完成できるため、溶接時間を最大80%、シールドガスの消費量を最大80%削減できる。また、厚板溶接の際に必要な開先の加工面積を最大70%削減することで加工時間を短縮し、溶接ワイヤの使用量も最大70%削減できる。溶接回数が減るため、溶接材料に加わる熱量が低減し、溶接構造物の熱による変形が最大85%低減した。

 一般的な炭酸ガスアーク溶接は溶け込み深さが数mm程度で、厚い鋼板の場合、開先加工を施し、溶接を何層も重ねて開先加工部を充填する必要がある。そのため、溶接作業が長時間におよび、熱による変形が発生するなどの課題があった。また、500A以上の大電流の炭酸ガスアーク溶接ではアーク現象が不安定になり、欠陥や外観不良が起きやすく実用化が困難だった。

生産性向上およびコストダウン事例
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