レーザー光源搭載の内視鏡システム、微細な血管の変化の視認性高める:富士フイルム LASEREO 7000システム
富士フイルムは、レーザー光源を搭載した内視鏡システム「LASEREO」シリーズの新製品「LASEREO 7000システム」を発表した。レーザー制御技術の進化により視認性を高め、精細な観察を支援する。
富士フイルムは2017年5月9日、レーザー光源を搭載した内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」シリーズの新製品「LASEREO 7000システム」を発表した。従来機に比べ、特殊光観察時の視認性が向上した。富士フイルムメディカルを通じて、同年5月15日より販売を開始した。
LASEREOは、早期がんに特徴的な粘膜表層の微細血管などの変化を観察できるなど、微小な病変の観察をサポートする内視鏡システム。波長の異なる2種類のレーザー光の発光比率を変えることで、粘膜表層の微細な血管や構造などを強調して表示する機能「Blue LASER Imaging(BLI)」や、画像の赤色領域のわずかな色の違いを強調して表示する画像処理機能「Linked Color Imaging」を備えている。
新製品のLASEREO 7000システムは、プロセッサ「VP-7000」とレーザー光源装置「LL-7000」で構成。レーザー制御技術の進化により視認性を高め、精細な観察を支援する。粘膜表層の血管や構造の観察に適したBLI機能により、中景/遠景を観察する際の観察画像の明るさが向上したほか、検査画像をワイドモニターで観察できるようになった。
他に、画面上に点在して表示されていたスコープ操作部のスイッチの設定内容などの情報を、画面の右側にまとめて表示。検査中に撮影した直近4枚の画像もインデックスとして画面の右端に表示することで、画面を切り替えることなく撮影画像をスムーズに参照できる。さらに、外部メモリに検査画像を直接記録するため、USBポートを新設した。
LASEREO 7000システムは同日発売の下部消化管用細径スコープ「EC-L600MP7」をはじめ、同社のLASEREO用スコープ全てに対応する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スキャニング照射機器の小型化に成功、次世代型重粒子線がん治療装置の実現を目指す
東芝と量子科学技術研究開発機構は、重粒子線がん治療装置向けスキャニング照射機器の大幅な小型化を実現した。 - 硬性内視鏡による生体組織の3次元イメージング
新エネルギー・産業技術総合開発機構は、NTTアドバンステクノロジ、大阪大学と共同で、KTN結晶を用いた光スキャナーにより、硬性内視鏡による生体組織の3次元イメージングに成功した。 - プレミアムクラスの性能で臓器撮影に特化した超音波診断装置
フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、超音波診断装置「Affiniti 30」を発売した。プレミアムクラスの性能を搭載した装置で、心臓、腹部、血管、表在臓器を撮影するための基本アプリケーションに特化している。 - バイオ3Dプリンタを用いた神経再生技術、京都大学で開発
京都大学はサイフューズと共同で、バイオ3Dプリンタを用いた末梢神経損傷に対する神経再生技術の開発に成功したと発表した。バイオ3Dプリンタで、細胞のみから成るバイオ3次元神経再生導管を作製した。 - 片手で持ち運べる小型遺伝子検査機、バッテリー駆動にも対応
産業技術総合研究所は、日本板硝子、ゴーフォトンと共同で「モバイル遺伝子検査機」を開発した。片手で持ち運べるほど小型軽量で、約1時間を要していた細菌やウイルスの検出が約10分で可能に。バッテリー駆動するので検査場所も問わない。