ニュース
M2M市場のけん引役はエネルギー分野――2021年度の国内市場規模は2000億円に:矢野経済研究所 国内M2M市場調査
矢野経済研究所は「国内M2M市場に関する調査」を実施し、その結果を発表した。
人が介在せず、通信機能を備えた機器間で情報のやりとりを行う「M2M(Machine to Machine:機器間通信)」は、これまで自動販売機やエレベーター、重機・建機などの監視や各種環境計測などで用いられてきた。近年はさらに利用範囲が拡大しており、スマートメーターに代表されるエネルギー関連や工場設備・生産機械の遠隔モニタリングなどで活用が進んでいるという。
こうした市場背景を踏まえ、矢野経済研究所は「国内M2M市場に関する調査」を実施し、その結果概要を発表した(詳細は、同社発行の資料「IoT/M2Mマーケット 2017」にまとめられている)。
同調査によると、M2M需要は堅調に推移しており、2015年度の国内M2M市場規模は1610億円だったという。2016年度も同様に、上位事業者の事業拡大やMVNOによるサービス多様化などが市場をけん引した他、M2Mの利活用が中堅規模のユーザー企業にも浸透してきたことや、設備・機器監視や流通・物流関連でも需要の拡大が継続し、M2M市場の拡大を後押しした。その一方で、デバイス単価や回線利用料などの低価格化も見られたが、2016年度のM2M市場規模は結果的に前年度比106.2%の1710億円になる見通しだという。
2017年度以降も、引き続きエネルギー関連がけん引役となる他、製造現場における遠隔モニタリングなどの設備・機器監視や、流通・物流関連の需要拡大が見込まれ、2021年度の国内M2M市場規模は2000億円に達するとみられている(図1)。
分野別のM2M需要動向――スマートメーター/HEMSの普及拡大が後押し
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2021年国内IoT市場は11兆円規模へ、東京五輪や技術・コスト障壁の低下が後押し
IDC Japanは、国内IoT(Internet of Things)市場における用途別/産業分野別予測を発表。2016〜2021年までの年間平均成長率(CAGR)は17.0%で、2021年には11兆237億円に達する見込みだという。 - 「幻滅期」に突入したビッグデータ、しかし国内企業の取り組みは継続
ガートナー ジャパンは、従業員数500人以上のユーザー企業のITリーダーを対象に、ビッグデータへの取り組みに関する調査を実施し、その結果を発表した。 - IoT導入・活用はどこまで進んでいるの? 国内製造業の最新事情
ニフティが発表した「IoTに関する実態調査」の結果から、製造業におけるIoT導入・活用の今を探ってみたい。 - 大手製造業を中心にIoT利用が着実に向上、事業部門が主体となりビジネスを加速
IDC Japanは、国内のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)市場における企業ユーザー動向に関する調査結果を発表した。 - 国内企業はIoTに慎重な姿勢――期待と不安が入り交じった状況
ガートナー ジャパンは、日本企業のIoTへの取り組みに関する調査結果を発表した。その内容からIoTへの取り組みに対する国内企業の慎重な姿勢が浮き彫りとなった。こうした傾向は、矢野経済研究所が発表したビッグデータへの取り組み状況に関する調査結果からも見てとれる。