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製造現場での音声認識導入を失敗させる2つの原因と対応策製造業における音声認識(1/5 ページ)

ピッキングや組み立て、検査保守など製造現場に音声認識技術が導入されることも珍しくないが、「導入に失敗する」例も散見される。主な失敗の要因とその対応策について紹介する。

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製造現場における音声認識の取り組み

 近年、製造現場での音声認識技術の活用事例が増えている。製造業における音声認識活用ニーズは古くからあり、さまざまな取組は行われていたが、ここ数年の事例を見ると音声認識の文化が形成されてきたと感じている。当社は音声認識エンジンを保有しており、長年にわたり、音声認識技術「AmiVoice」の導入コンサルティングや開発サポートを行っているため、音声認識を活用したいニーズが増えていることは間違いない事実として実感している。

 製造現場における音声認識技術活用の目的は、入力作業を手入力ではなく声で行うことでハンズフリーを実現し、作業時間の効率化を図ることである。これらの取組は10年前でも行われてきたが、現在では活用するデバイスにも大きな変化が見られる。10年前はPCやフィーチャーフォン、PDAなどのデバイスが主流であったが、現在はタブレットやスマートフォン、さらにはウェアラブルデバイスも登場している。

 このように製造現場で使うハードウェアの選択肢が増えたこと、また、ハードウェア処理能力が向上したこと、さらにはここ数年で飛躍的に音声認識の認識精度が向上したことにより、現場の騒音環境でも十分な活用が可能となった。これらが事例増加の理由といえる。

製造現場における、音声認識の活用事例

 先にも述べたが、製造現場での音声認識技術活用の目的は、入力作業を手入力ではなく音で行うことでハンズフリーを実現し、作業時間の効率化を図ることである。製造現場では、さまざまな用途で音声認識技術を活用しているが、主な活用シーンは以下の3つといえる(表1)。

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