モノづくり総合版メルマガ 編集後記
パナソニックねぶた会、50年の歴史に幕 「最終運行」で跳ねてきた
青森ねぶた祭は、どの団体も東北の短い夏を全力で楽しもうという熱気に満ちていました。
この記事は、2026年8月13日に発行した「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたコラムの転載です。
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夏休みに、青森市で開催される「青森ねぶた祭」に行ってきました。青森ねぶた祭とはご存じの通り、毎年8月に開催される日本の夏を代表するお祭りです。主役となる「ねぶた」は、歴史や神話上の人物を題材に、「ねぶた師」と呼ばれる職人が手掛ける大型の灯籠です。企業や自治体などの運行団体が、それぞれのねぶたを青森市中心部で運行します。
もちろん、祭りを盛り上げるのはねぶただけではありません。太鼓や笛、手振り鉦などで演奏する「囃子方」、囃子に合わせて「ラッセラー、ラッセラー」の掛け声を上げながら踊り跳ねる「跳人(はねと)」、白塗りやさまざまな扮装で観客を楽しませる「化人(ばけと)」など、多くの人が一体となって祭りをつくり上げます。
面白いのが、跳人としては一般の観光客も参加できることです。正装である専用の衣装を身に着けていれば、基本的に好きな団体の列に入り、一緒に跳ねることができます。せっかく青森まで来たのだから、見るだけではもったいない。ということで、私も衣装を用意し、跳人として参加してみることにしました。
基本的にはどの団体に飛び込んでもよいのですが、今回、ねぶた祭を案内してくれたひときわ「ねぶた愛」の強い友人が「ぜひここに参加したい」と言っていたのが、「パナソニックねぶた会」でした。
パナソニックねぶた会は、地域のパナソニック販売店を中心に、長年大型ねぶたを運行してきた団体です。パナソニックが出資し、北東北地区のパナソニックグループ各社なども活動を支えてきました。2026年は出陣50回という節目の年である一方、運営を担う販売店の減少などを背景に、今回を最後にねぶたの運行を終えることが発表されていました。
そんな「最終運行」に、私も跳人として飛び込ませてもらいました。
パナソニックねぶた会の最後のねぶたの題材は、「三国志」に登場する中国後漢末期の武将で、人並み外れた怪力の持ち主とされた「典韋(てんい)」。制作者は、パナソニックねぶた会のねぶた制作を長く務めた北村蓮明さんです。孤軍奮闘する鬼神の姿を表現した、大迫力のねぶたでした。
隊列には「皆様と歩んだ50年 尽きぬ感謝 心はねぶたと共に」と書かれた看板が。長年の思いが伝わり、胸に迫るものがあります。
他の運行団体と比べて独特だったのは、看板の下に設置された大型の液晶テレビです。カメラを接続し、後ろで跳ねている跳人たちの姿をリアルタイムで映し出していました。自分たちが「ラッセラー」と跳ねている姿が目の前の大画面に映し出されるので、一体感が増し、テンションもさらに上がっていきます。機種の詳細までは確認できませんでしたが、パナソニックねぶた会ですから、やはり「ビエラ」だったのでしょうか。
そして何より印象に残ったのが、パナソニックねぶた会の皆さんの熱気でした。「最後だからしんみりと」という雰囲気ではなく、とにかく最後まで思い切り祭りを楽しみ、盛り上げようという勢いにあふれていました。
何かを始めることや盛り上げることも大変ですが、長く続けてきたものをきれいに終えることにも、また別の難しさがあると思います。50回目まで変わらぬ熱気で祭りを盛り上げ、最後まで多くの人を楽しませて歴史に幕を下ろしたパナソニックねぶた会。その「最終運行」に跳人として参加できたことも含め、素晴らしい有終の美を見届けられた夏休みになりました。
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