イーソル eSOL MBP
「Simulink」を利用してCソースコードや制御アルゴリズムの並列化を実現
イーソルは、マルチ・メニーコアハードウェア環境向けのソフトウェア開発を支援する、モデルベース並列化ツール「eSOL MBP(仮称)」のプロトタイプを開発したことを発表した。
イーソルは2016年5月9日、マルチ・メニーコアハードウェア環境向けのソフトウェア開発を支援する、モデルベース並列化ツール「eSOL MBP(仮称)」のプロトタイプを開発したことを発表した。
eSOL MBPは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の支援を受け、イーソルと名古屋大学枝廣研究室によって研究開発された成果を実用化したもの。
「Simulink」で設計した制御モデル、ブロック線図からCソースコードや制御アルゴリズムを並列化
組み込み機器の高機能・多機能化により、ソフトウェアが大規模・複雑化しており、開発現場では設計品質と最終システムの信頼性を向上させるために、既に自動車や航空・宇宙分野などで実績のあるモデルベース開発(MBD)手法の導入が進んでいる。さらに近年は、厳格な安全性が要求されるようなシステム開発においてもインテリジェント化が進んでおり、性能と電力効率に優れたマルチ・メニーコア技術の導入が求められている。
こうした状況に対し、既存のMBD支援ツールや並列化ツールでは、並列性の抽出、並列プログラムの最適なコア割り当て、安全性とリアルタイム性の保証などのハードルが高く、マルチ・メニーコア環境向けに最適化されたコード生成が難しかったという。
今回発表されたeSOL MBPでは、MathWorksのモデルベースデザインツール「Simulink」で設計された制御モデルから生成されるCソースコードを並列化することが可能。さらに、Simulinkで作成したブロック線図を解析することで、図の信号線からデータフローを正しく把握し、Cソースコードの解析だけでは困難な制御アルゴリズムの並列化を設計者の意図通りに実現できるという。
ブロック線図のブロックを、単位として並列性を抽出した後、実装するマルチ・メニーコアプロセッサのアーキテクチャや性能情報を基にした実行性能の見積もりを実施。それらの情報から分割されたブロック群の各コアへの割り当てを行い、並列コードを自動生成する。なお、性能見積もりには、米Multicore Associationが策定したXML形式のハードウェア構造記述仕様「SHIM(Software-Hardware Interface for Multi-many-core)」を利用しているという。
また、現在ルネサス エレクトロニクスの「RH850」マルチコアマイコンに対応するPILS(Processor In the Loop Simulation)環境自動構築ツール「Embedded Target for Renesas CS+」(開発中)のサポートを進めており、連携部分を「Renesas RH850 PILS Package」(仮称)としてリリースする計画。ユーザーはPILS環境を利用することで、性能見積もりに加えて、実際のコア割り当て後の性能評価も行えるようになる。
イーソルは、eSOL MBPに加え、マイコンからシングルコア、ヘテロジニアスなマルチ・メニーコア環境までスケーラブルにサポートしたリアルタイム「eMCOS」の開発・提供、米Multicore AssociationやEmbedded Multicore Consortiumを含む国内外の標準化団体での活動などを通して、マルチ・メニーコア向けソフトウェア開発を強力に支援していく方針だという。
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