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文化財に触れる楽しみを3Dで――受託開発の殻を破った新提案で地域貢献沖縄モノづくり新時代(9)(1/3 ページ)

エンジニアリングやモノづくり分野の技術進化が、今まで以上に地方の課題解決や魅力発掘の後押しとなる。本連載の主役は、かつて“製造業不毛の地”といわれていた沖縄。第9回では、市販のモーションセンサーと3Dホログラムディスプレイを組み合わせ、これまでと異なる形で文化財と触れ合うことができるシステムを開発した国建システムを取り上げる。

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 今回は、地方自治体の博物館や美術館、歴史資料館といった文化施設の集客増大を狙った話題を紹介したい。

 これらの施設では、文化財をガラスケースの中で展示し、説明パネルで興味を喚起するといった展示がほとんどだが、沖縄のシステム開発企業である国建システムは、市販のモーションセンサー(Leap Motion製)と3Dホログラムディスプレイ(Realfiction製)を組み合わせた展示方法を提案している。装置に映し出された3D画像を、手の動きで遠隔操作し、自由に動かせるものだ。実際、沖縄県中部にある護佐丸(ごさまる)歴史資料図書館に納品されている(図1)。

沖縄県中部にある護佐丸(ごさまる)歴史資料図書館に展示されている3D画像プロジェクションシステム。3D画像をモーションセンサーで動かすことができる
図1 沖縄県中部にある護佐丸(ごさまる)歴史資料図書館に展示されている3D画像プロジェクションシステム。3D画像をモーションセンサーで動かすことができる。護佐丸とは、15世紀における琉球王国の権力者の名前。歴史資料図書館のある沖縄県中部で活躍した ※護佐丸歴史資料図書館の許可を得て館内を撮影

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 モーションセンサー、3Dホログラムディスプレイともに市販品で、目新しい技術ではないものの、「両方を組み合わせた納品事例は、日本全国の図書館や美術館、博物館でも例がなく、全国初の試みではないか」(同社)という。

 同社は、システムの受託開発を主な事業としており、ハードウェアが絡むモノづくりの専門家が在籍しているわけではない。システム開発という枠を超え、モノづくり領域に踏み込んだ理由や開発経緯をインタビュー形式で紹介しよう。

※補足と訂正:本記事で紹介しているシステムは厳密に「ホログラム」「ホログラフィック」とは呼べないため「3D画像」および「3D画像プロジェクションシステム」としました。また「3Dホログラムディスプレイ」という表現に関しては、本システムで使用されているRealfiction製「DREAMOC HD3」が“3Dホログラム(ホログラフィック)ディスプレイ”として販売されているため、記事内では「3Dホログラムディスプレイ」としています(2017/6/21)。参考:誤解だらけの「ホログラム」 それっぽい映像表現との違いは?


歴史資料館を新技術でより魅力的に

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