三菱重工工作機械は2017年1月、精密加工機「μV」シリーズの新機種「μV5」を発表した。各種精密加工部品やディスプレイ筐体を成形する大型の金型、燃料電池の主要部品であるセパレーター、回転機器のブレード加工など、さまざまな加工用途の需要に応える。
μV5は2006年に発売されたμV1の加工精度を継承しつつ、テーブル作業面と加工ストロークを拡張した。自動車光学部品金型など、小径工具による微細な加工を必要とし、かつ大型化するワークをμmレベルの精度で加工できる。
また、新たに開発した3万回転/分の高性能主軸に、特殊JET潤滑方式を採用。これは、主軸の内部と外筒へ機体温度に同調させた潤滑油を循環させるものだ。さらに、高解像度CCD(電荷結合素子)カメラが回転中の工具先端位置を正確に測定する独自の「撮像式工具測定システム」を搭載した。これによりμmレベルの切り込み量に対しても追従した精密加工ができる。
機械本体は高剛性対称構造になっており、各軸をすべり案内面とすることで高い減衰性を備えた。同時に、熱剛性と機械剛性にも配慮し、多種多様な素材に対して最良の加工面品位を確保する。また各発熱源への冷却を徹底した結果、加工時の熱変位が最小限に抑えられ、長時間でも安定した稼働ができる。
本体サイズは幅2760×奥行き2600×高さ2790mm、質量10.5トン。テーブルの作業面サイズは1050×550mmで、最大幅1050×奥行き700×高さ450mm、800kgまでの大型ワークに対応する。
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