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攻守を入れ替えたNVIDIAとQualcommTechFactory通信 編集後記

Nintendo Switchに「Tegra」が採用されたNVIDIAですが、同社SoCはスマートフォンへの搭載を目指しながらも方法転換した過去を持ちます。その方向転換によって攻守が入れ替わった存在がQualcommです。

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 PCやワークステーションの世界ではグラフィックチップ(GPU)「GeForce」シリーズなどで不動の地位を築いているNVIDIAですが、限られたリソースへの最適化が求められる組み込みの世界でも同様に圧倒的な実績を残しているかというと答えは「No」でしょう。

 NVIDIAの組み込み向け製品としては、CPUにARMコア、グラフィックスに同社製品を実装したSoC「Tegra」があり、任天堂から発表された新ゲーム機「Nintendo Switch」にはカスタマイズされたTegraが搭載されています。メジャーな家庭用ゲーム機にNVIDIA製品が採用されるのは久しぶりのことです(PS3には同社GPUをカスタマイズしたGPUが利用されています)。

TechFactory通信 編集後記

この記事は、2016年10月31日発行の「モノづくり総合版 TechFactory通信」に掲載されたTechFactory担当者による編集後記の転載です。

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 このTegraはGPUベンダーが手掛けたSoCという出自もあって低消費電力ながらグラフィック性能が高いという特長を持ち、登場時は「高いマルチメディア性能を求められるモバイル機器」つまりスマートフォンをターゲットにしていました。特に第3世代製品のTegra 3は電力消費を最適化する“5つ目のコア”も実装する「4-PLUS-1」構成としたことで、多くのスマートフォンやタブレットに採用されました。

 このTegra 3が出荷開始された2011年秋はちょうどAndroidスマートフォンとタブレットの高性能化が急激に進んでいた時期であり、「Nexus 7」や「Xperia Tablet S」「Optimus 4X」「ARROWS V F-04E」「HTC One X」などがTegra 3を採用、現在に通じる高いマルチメディア性能、LTEなど高速ネットワークに適合した処理能力などを獲得しました。

 このようにスマートフォン向けSoCとして一定の地位を確保したTegraですが、NVIDAはTegraをその方向で進化させることを選択しませんでした。

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