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夢物語から実現に近づいてきた光インターコネクト大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/4 ページ)

エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は8月に開催されたイベントで語られた光インターコネクト関係の話にフォーカスする。

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2022年8月に開催されたイベント「Hot Chips 34」「Hot Interconnects 29」の両方で取り上げられた話題に光インターコネクト関係の話がある。光インターコネクトそのものは以前から将来の配線技術としていろいろ研究がなされてきたものの、銅配線が意外に延命しているというか、もう50GHzの電気配線は現実的になってきており、ここに来て100Gが視野に入りつつある。しかも単純なNRZ(Non-Return-to-Zero:2値の信号で、1回の転送で1bitを伝達する)だけでなくPAM-4(Pulse Amplitude Modulation-4:値を0〜3の4値にすることで、1回の転送で2bitを伝達する)も次第に普及し始めている。この結果として200Gbps/Laneは既に銅配線で可能な事が視野に入りつつある。

 ただ「視野に入る」と「普通に使える」は全然別の話であって、実際にはこの200Gbps(というか、100GT/secというか)の取り扱いには結構苦慮している。この100GT/sec、あるいは200Gbpsという信号を最初に取り扱う分野は光イーサネットである。現在光イーサネットは50Gbps/Laneは既に普及期に入っており、100Gbps/Laneもこれから立ち上がろうとしている。この100Gbps/Laneというのは、光ファイバーが1対なら100GbE、2対で200GbE、4対で400GbEという具合だ。規格的には8対で800GbEというものも現在策定中であるが、流石に8対の光ファイバーだと高コストになるので、何とか4対でカバーする方向になっている。これに続き、200Gbps/Laneを狙う事で2対で400GbE、4対で800GbEを狙う規格も現在作業に入っている。これに関してはIEEEよりもむしろMSA(Multi-Source Agreement:特定の企業にって構成された団体による独自規格)の方が先行しているが、こうした光イーサネットの規格策定の中で、電気信号の速度が問題になってきている訳だ。

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