絶対に止められないシステムにおける「時間」の取り扱いに関する注意点:宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(30)
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届け! 今回は、絶対に止められないシステムにおいて気を付けたい“時間”の取り扱いについて紹介します。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、酷暑などへの対策として、日本でも「サマータイム」の導入検討を始めるという報道がありました。ITに片足を突っ込んでいる人間としては、さすがに対応のための時間が短過ぎるので「まず不可能だろう」と考えてはいるものの、特に連続稼働を行い、かつ止められないラインを持つ製造業にとって、この話題は悩みの種かもしれません。ITに携わるものとしては、オリンピック対策としてのサマータイム導入は“反対”の意見を挙げておきたいと思います。
今回のサマータイム導入騒動は、そもそも準備のための期間が足りませんし、そのお金(費用)も足りません。潤沢過ぎる予算と、限りなく長い準備期間が用意できるのであれば、そこでやっと「技術的に可能です」といえるでしょう。そうでなくても私たちはセキュリティ対策に追われているので、攻撃者に隙を見せるような、“あまり意味のない対策”には力を使いたくないところです。
ITシステムにとって“時間”の取り扱いは大変重要で、「少しでも手を加えると大変なことになる、だからやるな」というのは筋が通っています。ですが、そうなると「じゃあ、今のシステムのままなら、他の問題は大丈夫なんだよね?」というツッコミが来てしまうかもしれません。そこで、今回はおさらいの意味も込め、絶対に止められないシステムにおいて気を付けたい“時間”の取り扱いを考えてみましょう。
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