「SOCレンジ」100%の家庭用蓄電池、太陽光と直流連携も可能に:東芝ライテック eneGoon
東芝ライテックは、家庭用蓄電システムの新製品を発表した。電池容量はそのままで従来モデルから小型化した7.4kWh(キロワット時)のモデルと、太陽光発電と直流のまま連携できる複合型パワーコンディショナーを採用した5.0kWhの2機種を2017年7月から販売する。
東芝ライテックは、定置式家庭用蓄電システム「eneGoon(エネグーン)」の新製品として、電池容量はそのままで従来機から小型化を図った「スタンダードタイプ7.4kWh」と太陽光発電と直流のまま連系できる複合型パワーコンディショナーを採用した「ハイブリッドタイプ屋外モデル5.0kWh」の2機種を2017年7月から販売する。
大容量のスタンダードタイプは、蓄電池容量など基本性能を維持しながら、従来モデルに比べて体積比で約11%小型化し、設置しやすくした。サイズは780×300×910mmで、重量は133kg。コントローラー、分電盤などを含む代表的なシステムでの価格は税別307万9600円となっている。
蓄電池と太陽光発電のパワーコンディショナを1台に集約したハイブリッドタイプは、従来、蓄電池本体を室内に設置するタイプだけだったが、今回、蓄電池本体を屋外に設置する新モデルを追加した。蓄電池本体を屋内に置く場合、事前にスペース(棚下や階段下など)を検討しておく必要があるため、既築住宅では設置が難しい場合も多かった。そこで今回、屋外モデルをラインアップすることにより、既築住宅においても設置しやすくなる。計測操作ユニット、コントローラー、分電盤、機器間接続用ケーブル類などを含む代表的なシステムの価格は税別265万3000円。
また、2機種とも1万5000回の充放電後でも、80%以上の容量を維持する。さらに蓄電池の電力容量を最大限活用できる、SOCレンジ100%を実現した。SOCレンジは完全充電状態を100%、完全放電状態を0%とした際に、実際に電池を使うことのできる充電状態の幅の広さをいう。この他、東芝HEMSと組み合わせることで、スマートフォンから蓄電池の運転状況などを確認可能だ。
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