B2B向けIoT市場、プロバイダーが避けるべき“5つの落とし穴”:戦略コンサルの論考を変革のヒントに(3)(1/3 ページ)
戦略コンサルティング企業が発信する論考や調査レポートから、モノづくり業界の皆さんに示唆をもたらす記事を紹介する連載の第3回。今回は、ベイン・アンド・カンパニーのレポート「IoT市場でプロバイダーが成功する方法」を取り上げ、成功を妨げる“5つの落とし穴”を読み解きます。
IoTビジネスに期待感が高まる
Internet of Things(モノのインターネット)という言葉は、ビジネスの世界ですっかり市民権を得ました。日経新聞のWebサイトの記事検索で「IoT」というキーワードを調べてみると、2016年9月の1カ月間で136件もの記事がヒットします。1年前の2015年9月は56件、2年前の2014年9月は12件でした。
さらに、それぞれの記事の内訳に注目すると、2016年9月は「人事」に関するものが8件、「くらし」が18件もあります。2015年9月は人事とくらしがともに7件、2014年9月は人事が0件、くらしが3件でした。この結果から、企業が新たな組織や役職を設けてIoTビジネスを推進し、それが生活者にも届きつつあるという潮流が読みとれます。
もっとも、「IoT」という言葉には唯一かつ明確な定義があるわけではなく、ある種の“バズワード”になっているのも否めません。インターネットやWebサービスに、直接的にはもちろん、間接的にでもつながるモノは、何でもかんでもIoTと呼んでしまう。そのために記事の本数が増えているという側面もありそうです。
それでも、IoT市場が近い将来にかなりの規模に成長することは、もはや確定的な合意事項になっています。国内外のIoT市場についてはさまざまなレポートが発行されており、時期や数字はそれぞれ異なるものの、いずれも成長の可能性を声高に指摘しています。
B2B向けIoTで需要家が期待をかけるのは……
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