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CMMIレベル5の会社はバグゼロで開発できるか? ―― CMMIの落とし穴(その1)組み込みエンジニアの現場力養成ドリル(30)(1/3 ページ)

今回は、CMMIを正しく理解し、有効に活用する方法を解説します。

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 ソフトウェア開発者であれば「CMMI」という言葉を聞いたことがあると思います。CMMIは、ソフトウェアを開発する組織が、どの程度きちんと開発できる能力があるかを示す「通信簿」のようなもので、レベル1からレベル5までの5段階で評価します。このあたりは、小学校の通信簿と全く同じ発想です。

 組み込み系のソフトウェア開発をしている会社では、インドや中国のソフトウェア開発企業から、オフショア開発の売り込みを受けることが少なくないと思います。よくあるセールストークが、「ウチにソフトウェア開発を外注しませんか? ウチなら、月3000米ドルで、コンピュータサイエンスの修士卒で5年以上の開発経験があるエンジニアをアサインします。しかも、当社はCMMIのレベル5を取得している世界最先端のソフトウェア開発組織です」でしょう。1つにまとまっていて小規模で手離れのよい組み込み系のソフトウェア開発は、オフショア開発といい相性ですね。

 海外からのセールストークを聞いた日本側は思います。「去年、ウチの会社が自信満々でCMMIを受査したけど、結果はレベル1だった。レベル5の会社ってスゴイんだろうな。そんな会社に外注すれば、高品質のプログラムを安く開発できそうだ」。この考えには、誰もが1度はハマる巨大な落とし穴があります。

 今回は、CMMIを正しく理解し、有効に活用する方法を解説します。

CMMIが誕生した背景:いい加減な会社が多すぎる……

 なぜ、CMMIが誕生したかの背景を知れば、CMMIの意味や目的が分かり、落とし穴がはっきり見えます。

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