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英語が苦手なエンジニアのための『英文メールの書き方』 〜 30分で作るための7つのポイント組み込みエンジニアの現場力養成演習ドリル(22)(1/3 ページ)

英語による国際的なメールを書く場合の7つのポイントを紹介しながら、英語が苦手なプログラマーにも、速く、早く、簡単に英文メールを書く方法を解説します。

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はじめに

 2019年のラグビーワールドカップや、2020年の東京オリンピックの影響もあり、日本を訪れる観光客が急増していますね。ソフトウェア開発の世界でも、以前に増して、国際化が急激に進んでいます。サンフランシスコの会社にスマートフォン用のWebブラウザを発注したり、「インドのシリコンバレー」ことバンガロールの会社に、日本で作った通信制御プログラムのテストを担当してもらったりと、海外との共同プロジェクトや、受発注が活発になっています。

 国際的なソフトウェアの共同開発で重要なのが、設計、コーディングやデバッグの進捗状況、レビュー、摘出したバグの重要度、再現条件、修正状況などを相手側のプロジェクトと共有したり、作業を相互に依頼したりする場合の意思の疎通です。海外のプロジェクトチームと情報のやり取りや、作業を依頼する場合、コミュニケーション手段として、圧倒的に多いのが「メールによるやりとり」です。英語が苦手なプログラマーには「頭痛のタネ」ですね。

 日本国内の同業他社に送る「日本語の技術メール」と、相手が日本人でない「英文による国際的な技術メール」では、いくつか、書き方が異なる箇所があります。英語による国際的なメールを書く場合の7つのポイントを紹介しながら、英語が苦手なプログラマーにも、速く、早く、簡単に英文メールを書く方法を解説します。

英文メールによるコミュニケーションは大変

 純然たる日本国内の企業なのに、「公用語が英語」なんて会社がありますね。また、プロジェクトマネージャーへ昇格する条件として、経済産業省認定の国家試験「応用情報技術者試験」の取得とともに、TOEICのスコアを条件に課すなど、英語が苦手な人には、厳しい世の中になりました。

 それはそれとして、現在、海外のプロジェクトチームと共同開発中のソフトウェアに関し、海外の開発チームと技術的なコミュニケーションを取らねばならない状況は非常に多いと思います。「英語がとても苦手で、英文メールは大嫌い」との意識があると、「半日も費やして汗だくで書いた英文メールなのに、相手が理解してくれず、再度問い合わせが来てしまった……」という「災難」に直面することでしょう。

 今回の講座では、30〜40行の長文の日本語メールをベースにして、30分程度で英語化でき、しかも、内容がきちんと相手に伝わる方法を7つのポイントで解説します。いずれも簡単なことですので、読んだその日から使えます。

 さて、7つのポイントを説明する前に、いきなり問題です。以下のメールを英文化してください(日本語が複雑ですが、この程度の複雑さは、日ごろ、よく見かけます)。

問題(制限時間:60分)

 以下の技術メールを在シリコンバレーのプロジェクトマネージャーに送りたい。

 英文化せよ(機械翻訳を使用してもよい)。


題名:お願いの件

拝啓 リチャード・スミス様

 年末になり、慌ただしい季節となりましたが、皆さまには、ご健勝のこととお喜び申し上げます。

 さて、御社からご指摘を受けましたバグ(添付ファイル付きのメールを受信するとスマートフォンがフリーズする)ですが、弊社で調査しました結果、スマートフォンでyoutube動画を見ている最中に、音声通話が着信して話をしている時に、1Mbit以上の添付ファイルのあるメールを受信し、かつ、メール受信バッファの容量が500Kbit以下ですと、メール制御プログラムのメモリ解放漏れのバグにより入力バッファを食いつぶし、ご指摘のバグが発生して、携帯電話がフリーズすることが判明しました。

 このメールに、モジュール「mail_handler_01-03」の修正版ソースコードを添付しました。お手数ですが、このモジュールを組み込んで、最終テストをお願いいたします。12月21日までに、テスト結果をお知らせいただければ嬉しいのですが。

 ご多忙の折、どうぞ、よろしく、お願い申し上げます。

   山本一郎

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