ため池に9500枚の三菱製太陽光パネル、“連環”水上メガソーラー:三菱電機製太陽光パネル
三井住友建設が香川県のため池に建設していた水上メガソーラーが完成。三菱電機製の太陽光パネルを採用し、年間290万kWhの発電量を見込んでいる。
三菱電機は2017年11月、同社が太陽光パネルを納入した三井住友建設のメガソーラー「平木尾池(ひらぎおいけ)水上太陽光発電所」(香川県三木町)がこのほど完成したと発表した。三菱電機が太陽光パネルを納入した水上メガソーラーとしては最大規模となるという。
近年、国内のメガソーラー事業は、地上での適地が不足する中、周囲に障害物が少ないことで効率的な発電が見込め、初期投資費用の抑制などが期待できる水上へのシステム設置が注目されている。
平木尾池水上太陽光発電所の出力は2600kWで、年間発電量は290万kWhを見込んでいる。ため池の周囲には日射を遮る障害物が少なく、土地造成コストが不要なため、初期投資費用の抑制に寄与したという。
三菱電機が納入した太陽電池パネルは、同社の標準仕様として耐候性・耐湿性に優れた3層構造PETフィルムを採用。加えてフレーム、ネジ、プロテクションバーに耐蝕性メッキ処理を施しており、カスタマイズなしで水上設置に対応するという。
国内で開発、生産、品質管理を実施しており、25年間で出力劣化率20%以内のリニア出力保証、10年間の瑕疵(かし)保証を提供している。さらに無鉛はんだ(端子ボックス内のバイパスダイオードパッケージ内のはんだを除く)を用いているため、廃棄しやすい特徴もある。なお、太陽光パネルは約9500枚を納入した他、パワーコンディショナー、高圧受変電設備なども納入・設置を実施した。
太陽光パネルを浮かべるフーロートは、発電事業者である三井住友建設が自社開発したものを導入している。太陽光パネルを装着するフロート、フロートを連結する連結板(ブリッジ)、フロートと連結板を固定する緊結バンドで構成している。
なお、三菱電機が水上メガソーラーの機器納入から設置までを行うのは、今回の案件が初になるという。今後も需要拡大が見込まれる水上への太陽光発電所設置に取り組む方針だ。
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