国内企業のERP利用はクラウドへシフト、自社運用型ERPからの置き換えが加速:ガートナー クラウドERP利用動向
ガートナー ジャパンは、日本国内におけるクラウドERPの利用動向に関する調査結果を発表した。
ガートナー ジャパンは2017年2月6日、日本国内におけるクラウドERPの利用動向に関する調査結果を発表した。
同調査は、今後、国内でクラウドERPの利用がどのように拡大していくのか、またその背景にはどのような企業ニーズがあるのかを明らかにする目的で、日本企業のIT部門のマネジャークラスを対象に行われた。なお、クラウドERPにはSaaS型ERPやIaaS型ERPといったさまざまな類型があるが、市場で多様な捉え方があることを踏まえ、同調査では詳細を定義せずに“クラウドERP”としてイメージされるものについての回答を募ったという。
◎編集部イチ押し関連記事
製造業におけるITソリューション活用
» ERP、国内主要3業種での“磨き”をかけるべきポイント
» AIを活用する次世代ERPの実力
» インフラから「SAP S/4HANA」の運用サポートまでをトータルに支援
» 日系SAP事業者トップを目指し、国内製造業のSAP導入支援に注力
自社運用型ERPをクラウドERPへ――クラウドシフトへの兆し
まず、クラウドERPの利用について「現在」「5年後」「10年後」の状況を調査。現在において「ERPはクラウドでは利用しない」と回答した企業が73.8%にも上ったが、これが5年後には24.8%、10年後には15.6%と急減する見通しを示す結果となった。「利用コスト」「セキュリティ」「サービスの存続性」といった懸念要素もあるため、この結果が示すスピード感で急激にクラウドへのシフトが進むとは限らないが、「自社運用型ERPのほとんどをクラウドERPに置き換える」とした企業が現在4.3%のところ、10年後には28.0%へと増加傾向にあることも同調査結果から見てとれる。
当然ながら企業規模によっても利用動向は変化する。同調査によると「今後、ERPの機能をクラウドで調達しようと考えている」企業の割合は、大企業(従業員数1000人以上)の方が中堅・中小企業(同1000人未満)よりも大きく、「現在はオンプレミスのみ」と回答した大企業が多い分、クラウドへのシフトがより急速に進む可能性もあるという。
現在利用中/今後利用したいクラウドERPの業務用途は?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 国内製造業のIT投資に対する意欲は?
IDC Japanは、国内企業のCIOや情報システム部門長、またはそれに準ずる立場の管理者を対象に、IT投資動向およびIT部門の課題/取り組みなどについてアンケート調査を実施。その分析結果を発表した。 - AIを活用する次世代ERPの実力
人工知能を活用する次世代型ERPの代表的な製品として、ワークスアプリケーションズの「HUE」とSAPジャパンの「SAP S/4HANA」を取り上げ、その特徴とユーザーメリットを紹介する。 - ERP、国内主要3業種での“磨き”をかけるべきポイント
製造業、卸売・小売業、サービス業という日本の主要業種に焦点を当て、ERPをより有効に活用するためのポイントを紹介する。 - 製造業の需要が後押し! 2015年の国内「ERM」「SCM」「PLM」市場
IDC Japanは、「ERM」「SCM」「PLM」からなる、国内EA(Enterprise Applications)ソリューション市場の産業分野別予測を発表した。