クラウド上で閲覧・保管・管理が行える医用画像システムサービス:キヤノンMJ Medical Image Place
キヤノンマーケティングジャパンは、医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」を拡充。医療施設内の医用画像をクラウド上で閲覧・保管・管理できる「医用画像システムサービス」を開始した。
キヤノンマーケティングジャパンは2016年4月、医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place(メディカルイメージプレイス)」を拡充し、医療施設内の医用画像をクラウド上で閲覧、保管、管理できる「医用画像システムサービス」を開始した。
昨今の診療報酬改定を機に、CT(コンピュータ断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)など高度な画像診断機器の共同利用が推進され、地域医療連携のニーズが高まっている。また、医療施設内で発生する医用画像データ量の増加に伴い、保管が義務付けられている医用画像データを医療機関内で保管、管理する負荷が拡大しているという。
そこで同社は、医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」をベースに、医用画像を簡単に連携、共有できる「医用画像システムサービス」の提供を開始した。このサービスを利用することで、医師はCTやMRI、X線撮影装置などで撮影した患者の検査画像をクラウド上で保管でき、必要に応じて医用画像を閲覧できる。特別なソフトウェアをインストールする必要がなく、Webブラウザで動作するため、画像参照時に場所を選ばない。
医用画像の閲覧に、キヤノンが提供する「統合医療画像管理システム」の画像俯瞰機能を活用することで、画像種別と時系列のマトリックスで表示できる。X線一般撮影画像やCTなどのDICOM画像だけでなく、デジタルカメラで撮影した静止画や動画、紙の紹介状や診断書の文書データまで、患者ごとに一覧でマトリックス表示することが可能だ。
また、「Medical Image Place」専用端末を施設内に設置することで、クラウドの通信形態が各省庁のガイドラインに準拠した高度なセキュリティ環境を構築できる。さらに、従来の設置型PACS(医用画像管理システム)で必要な、サーバ・ソフトウェアの購入や複雑なネットワーク構築、保守サービスへの加入などが不要で、サーバやソフトウェアをクラウド経由で必要に応じて利用することができ、システムの保守サービスを最小限に抑えられる。
このサービスにより、かかりつけのクリニックで撮影された画像がクラウドサービス基盤に保管され、在宅で診療する場合に過去の画像をタブレットから確認できるようになる。また、夜間や救急時に専門医が自宅の端末を利用すれば、病院にかけつけることなく画像を迅速に確認することができる。地域内で連携している病院とクリニックを結ぶオンライン検査予約機能も搭載。連携先の病院で実施した検査の画像や読影レポートはWeb上から閲覧可能だ。
サービス利用料は、初期費用に加え、保管容量に応じた利用料が必要となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 病院向け電子カルテ市場は単価が低下傾向にあるが、ゆるやかに成長
シード・プランニングは、電子カルテと医用画像ネットワークシステム(PACS)に関する調査を実施。その調査結果を「2016年版 電子カルテの市場動向調査」にまとめた。 - 人工知能をヘルスケア業界で活用――治療効果の改善や医療コストの削減に効果
フロスト&サリバンの調査「ヘルスケア業界における人工知能(AI)活用の展望」によると、ヘルスケア業界向け人工知能システムの世界市場は、2015年から2021年にかけて年平均成長率42%で成長するという。 - 高齢者見守りや投薬後の効果観察にも使える患者に優しいウェアラブルバイオセンサー
丸文は、MC10のウェアラブルバイオセンサーおよびデータ収集用クラウドプラットフォームの取り扱いを開始した。 - 採血後の検査工程を自動化する検体処理・搬送システム
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスは、全自動フル検体処理・搬送システム「アプティオ オートメーション」を発売した。