製造業でもデータドリブン経営が意識される中、統合データ基盤導入に注目する企業が増えている。しかし、導入・運用過程で予想外の手間やコスト、現場の抵抗に直面し、計画通りに進まないケースも少なくない。どう解決すればいいのか。
工場のスマート化や業務生産性の向上を目指し、生成AI(人工知能)をはじめとするデジタル技術を導入するための、統合データ基盤への注目度が高まっている。
しかし、データは各所から収集してすぐに活用できるわけではない。あらゆるデータをまたいで存在する「表記ゆれ」の課題を解決しなければならないからだ。
部材や作業上の用語、単位の呼称は、必ずしも部門やプロセスを横断して統一されているとは限らない。これらのデータを「使えるもの」にするには、高精度のクレンジングをしっかりと実施し、データそのものの品質を高く保つ必要がある。だが、こうしたデータ整理のプロジェクトは長期にわたる上、膨大な工数とコストが発生してしまう。
さらに担当者の頭を悩ませるのが現場からの反発だ。用語や名称の統一や、データベースの修正、再入力といった作業を行う上で現場の協力は不可欠だが、重い負担を強いる。人手不足が深刻化する製造現場が、作業追加による業務負荷の増大に抵抗感を示すのは無理もないことだといえる。
仮にデータの表記ゆれが統一できても、各現場の業務プロセスに大きな変更が生じる可能性がある。しかも、次々に追加されていく新規データに対しても内容を理解/把握し、データフォーマットの変換やクレンジングを行った上で統合データベースに登録しなければならない。この手間のかかる作業フローを維持、運用するのも一苦労だ。
上記で挙げた課題に直面し、データ活用プロジェクトの頓挫や停滞を経験した担当者は少なくないだろう。この壁を乗り越えるには、“コロンブスの卵”のような発想の転換が必要だ。
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