電子回路技術者にとって、オシロスコープは電気信号の時間的変化などを観測・解析するための基本的な電子測定器の一つだ。そのオシロスコープも、微小な不具合信号やノイズを確実に捕捉するために常に進化を続けている。
スマートフォンをはじめとする組み込みシステムや車載システムでは、小型で高性能・高機能、低消費電力に対する要求が一層高まる。これに伴い、無線デバイスや動作周波数がGHz級のプロセッサを搭載した機器/システムも特別なものではなくなった。このため、回路設計や動作検証を行う技術者は新たな悩みを抱えている。
その一つは、まれにしか発生しない散発的な不具合信号への対応だ。既存のオシロスコープでは、回路を流れる高速かつ微小な電気信号を確実に捉えるのが極めて難しくなっている。さらに、放射ノイズを確実に抑え込むにはスペクトラムアナライザーやEMIテストレシーバーを用いてスペクトラム測定をする必要がある。しかし、これらの測定器はオシロスコープに比べて機器メーカーに導入されている台数も少なく、システム設計者がいつでも自由に利用できる環境にはないという。
こうした中で、従来製品とは一線を画すオシロスコープが登場した。高速な波形更新レートによってこれまでは見逃していたノイズを漏れなく観測でき、微小信号も確実に捕捉するトリガ機能などを備え、さらには高速FFTにより放射性ノイズも観測できる製品だ。組み込みシステムのデバッグ効率を向上させ、開発工程における手戻りを減らせる。どんなオシロスコープが登場したのだろうか。
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